嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第1章:嵐山町の動物たち
第2節:嵐山町の動物相概要
1.嵐山町で見られる動物たち
山地と平地の間にあって丘陵が主体の嵐山町には、山地の特徴を示す所も、平地や低地の特徴をもつ所もあります。したがって、すんでいる動物たちも、山地に多い種もいれば、平地や低地に多い種もいて、いろいろな動物がすんでいます。さらに、人の生活する場所やそのまわりでは、そうした場所を好む動物たちも見られます。また嵐山町では、南方系の動物が見られる一方で、北方系の動物も生息しています。個体数は少ないものもいますが、多くの種類が見られる地域です。
嵐山町博物誌の調査ではこれまで、約2300種類の動物が確認されています。これは嵐山町にすんでいるすべての動物の種類数ではなく、あくまで人が知ることのできた数です。実際には、これ以上の種類がすんでいることでしょう。この本の中に登場する動物たちは、その中でも特に良く見かけるものや、特徴のあるもの、めずらしいものを中心に選定されています。
地元では「ヒッカタン」や「ダンゴッチョイ(団子背負い)」と呼んで親しまれているジョウビタキ。動物には、さまざまな呼び名があるものがいます。
草地を飛ぶベニシジミ。最もよく目にするチョウのひとつでしょう。
浅瀬で、川魚の群れが泳いでいます。
平地には、東側の関東平野に見られる動物たちが、低山地にかかる西側の地域には、秩父山地に見られる動物たちが目立ちます。さらに、丘陵地特有の動物も少ないながら見られます。
山地
イノシシ、タカチホヘビ、カラスアゲハ、ヤマジガバチ、ハナバチノスヤドリニクバエ、ミヤマクロバエ、エサキオサムシ、ヒメフキバッタ、ニクイロババヤスデ など
平地
ハタネズミ、トウキョウダルマガエル、ギンイチモンジセセリ、サトジガバチ、ヒゲナガヤチバエ、ミドリキンバエ、アカアシオオアオカミキリ、スズムシ、ギンヤンマ、オオギヤスデ など
南方系、北方系と一口に言っても、実際にはいろいろな要素がありますが、ここではわかりやすいように、この区分で表現しました。南方に分布の中心があり、関東地方あたりまで見られるもの、また北の寒い地域に多い種で、北斜面の日陰や水辺などに見られるものがそれぞれ見られます。
北方系
アカネズミ、ウスバシロチョウ、エゾジガバチモドキ、スゲハムシ、エゾハサミムシ、ミヤマサナエ など
南方系
ムササビ、シロマダラ、ムラサキシジミ、アオスジベッコウ、ヒラタクワガタ、ヨコヅナサシガメ、クルマバッタ、ショウジョウトンボ など