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嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】

5.サエノカミ(塞の神)|村の行事

サエノカミの小屋|イラスト
サエノカミの小屋。再現イラスト:田畑修

 十四日には子供たちがサエノカミ(塞の神)をつくりました。自分たちの家から門松や注連飾りを集め、これを材料として小屋をつくります。足りない時には神社のモミの枝を使いました。これがサエノカミです。小屋の大きさは、高さ一丈五尺(約四・五メートル)、直径八〜九尺(約二・五〜二・七メートル)ほどでした。子供たちは小屋の中で火にあたっていて、若夫婦が前を通ろうとすると、外へ出て縄を張りとおせんぼをします。すると、たいていお金をくれたので、菓子やコンニャクを買ってきて食べました。小正月には、嫁をもらったばかりの男性が嫁を実家に送って行く慣わしだったのです。
 十六日にはサエノカミを燃やしました。

正月の終わり

【恵比寿講(えびすこう)】

 二十日は恵比須講です。恵比須様と大黒様を座敷に下ろして箕や文机(ふづくえ)に祀ります。お金を稼いできてもらえるように、朝は小正月にあげたお供え餅を入れた雑煮かお汁粉、昼はぼた餅、夜は焼いた尾頭付きの鰯か秋刀魚に恵比須盛り(高盛)にした白米のご飯とけんちん汁…と御馳走を供えました。下げた供え物は当主が食べます。そのほか、ますますお金が増えるようにと一升桝にお金を入れて供えます。
 この日を二十日正月ともいい、この日で正月は終わりとされました。