嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
COLUMN
5.コラム:他地域の正月飾り
埼玉の小正月飾り
埼玉県内の各地で行われている小正月飾りは、地域によって少しずつ傾向が異なるようです。
削り花は、ほぼ全県下にみられますが、特に県北部から中央の台地に多く分布します。素材は県西部の山地から中央の台地まではヌルデ(オッカドと呼ばれる)、県北・県央の台地部以東ではニワトコを使う例が多く、その他には楮・柳・ウツギ・柊なども使われています。
粟穂・稗穂は、県西部の山地から台地・丘陵部に分布がみられます。素材はヌルデ(秩父地方ではオッカド、越生町ではカツノキと呼ばれる)・楮(日高市・飯能市ではカズと呼ばれる)・ニワトコ(浦和市〈現さいたま市〉など)が使われます。
農具のミニチュアや刀などの作り物は県西の山地から県央の台地の一部にみられますが、県東部にはほとんどみられません。
繭玉団子はほぼ全県下にみられます。