嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.繭玉|家の行事,養蚕の行事
小正月は別名、団子正月ともいいます。粳米(うるちまい)の粉で何種類かの繭玉団子を作って神様に供えました。たくさんの団子を飾りつけることで、作物が豊かに実り、繭が多く出荷できる様子を表したものです。
丸く大きな月見繭玉はお月様だといい、団子木と呼ばれる赤い木か梅の木に一二個(閏年〈うるうどし〉には一三個)刺して年神様に供えます。
蚕神様(かいこがみさま)には真ん中をくぼませた大きな繭玉を一六個、桑の根株から出た枝に刺したものをザシキの天井から吊るして供えました。ザシキの柱には堅木に小さな丸い繭玉をたくさん刺したものを大きく飾り付けます。オカマ様や恵比須・大黒様などにも小さな繭玉を三個ずつくらい堅木に刺して供えます。
「繭玉団子は十六日の風に当てるな」といい、十五日中に片付けました。
団子木
【小正月の風景】
繭玉団子を飾り付ける木の種類は、他地域の例をみるときわめて多くの種類があげられます。繭玉団子を飾る場合には、多くの枝に繭玉を刺した木をザシキに大きく飾るものと、年神様などの神々に小枝に繭玉を刺して飾るものとがありますが、これらは異なる種類の木を使う場合が多いのです。