嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」
第3節:岩石の利用
COLUMN
石材の中に見る鉱物
〜黄鉄鉱〜
三波川結晶片岩(さんばがわ けっしょうへんがん)の表面には時折、ザラザラした粒が見られます。
これは斜長石(しゃちょうせき)の一種である曹長石(そうちょうせき)であることが多いのですが、まれに黄鉄鉱(おうてっこう)という鉱物が見られます。
三波川結晶片岩の一種の緑泥石片岩(りょくでいせき へんがん)は石材として使われることが多いため、私たちの身近にある板碑(いたび)などの中に、黄鉄鉱などの鉱物を見ることがあるのです。
この黄鉄鉱は硫化鉱物の一種で、化学組成はFeS2です。主に六面体や八面体の結晶形を示し、淡い黄銅色で金属光沢を持っていますが、風化すると表面が褐色となってしまいます。
ハンマーなどで叩くと、火花が出ることがあります。
第3節:岩石の利用