嵐山町web博物誌・第2巻「プランタ」
第2節:有用な植物
1.食べられる植物
嵐山町の里山に生えている植物の中には、食べられる植物があります。山菜として町民に親しまれてきた植物を取り上げます。
採取をするときは、
- 土地の持主に断る
- はっきり見分けのつかない植物は取らない
(よく似ているが毒のある植物もあるため) - 乱獲はしない
以上の事柄に注意が必要です。
- ゼンマイ(芽立ち)
-
春の山菜として有名ですが、一箇所に大量に生えている所があまりないためか、このあたりではあまり利用されていません。
手で折ってみて、すぐに折れるぐらいまでが、食べごろです。 - ウド
-
栽培されたものは、暗い所に置いて白化させたものですが、野生のものは芽全体が緑色をしています。
食用になるのは新芽で、葉が広がる頃になると全体が硬くなって食べられません。 - コバギボウシ
-
湿り気の多い場所に生え、時に群生します。
若葉はもちろん、成長した後の葉も食べられます。花は青紫色で美しい。 - ミツバアケビ
-
春の新芽と秋の果実ともに食べることができます。
新芽を食べるには、写真の花の時期より少し前が適しています。 - クサボケ
-
リンゴやナシと同じバラ科に属し、直径3〜4cmのゆがんだ果実をつけます。果肉は木化して堅く、渋くて酸味がありますがよい香りがします。
砂糖煮や果実酒として利用されます。 - ワラビ
-
暖かい春の日差しの中、ワラビの新芽を探すのは楽しいものです。
日当たりのよい荒れ地に多く、山深い所よりも人里に近い所でよく見かけます。 - スギナ(ツクシ)
-
日当たりの良い草地や畑などに生えます。スギナの胞子を付ける部分をツクシと呼びます。
頭の部分から、緑色をした胞子が出きってしまう前が食べごろです。 - フキ
-
春の野草として食べるのは、フキノトウと呼ばれるつぼみの部分です。
茎のようにみえる葉柄(ようへい)も野菜として煮物などによく利用されています。 - タラノキ
-
日当たりのよい荒れ地に生えます。茎にはトゲがありますが、味が良いために春先には新芽(たらの芽)を掻かれている様子をよく見かけます。 - ノビル
-
ネギやニンニクと同じ仲間で、特有の臭いがあります。丸い地下茎を含む全体を生でも食べることができます。
花が咲くころには全体が硬くなり、食用には向かなくなります。 - オニグルミ
- 河原でよく見かけ、高木になります。実の周りには柔らかい皮があり、その中に堅い殻の種子があります。地面に落ちると動物が持ち去るのか、長く残りません。
- クズ
- 地下茎にでんぷんを蓄え、それを取り出したものが葛粉です。
- ヤマノイモ
- 林の入り口などによく生える、つる性の植物です。地下茎を地面深くに伸ばします。その地下茎(芋)を自然薯(ジネンジョ)といいます。
- カヤ
-
種子は長さ1〜2cmくらいの弾丸形をしています。食べられるのは中の核のような部分で少しヤニくさいです。
古里の重輪寺に町指定天然記念物の大木があります。
第2節:有用な植物