嵐山町web博物誌・第7巻【祭りと年中行事編】
2.彼岸|家の行事,現在の行事
秋の彼岸は、秋分の日を中心とする七日間で、この時期に祖先を供養する風習は古くから行われ、墓参りに出掛ける光景があちこちで見られます。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、暑さもこのころにはやわらぎ、しのぎやすい気候になります。
彼岸には団子やぼた餅を作って仏壇に供えますが、嵐山町平沢では彼岸の入りにはまんじゅう、中日はぼた餅で、走り口には「土産団子」といって仏壇の供え物を墓地に供えます。彼岸は仏教的な色彩が強く現れるなかに、小麦や小豆を伴ったまんじゅうやぼた餅を供えることにより、収穫を祝い、祖霊に感謝する要素も含まれるものであると考えることができます。
おはぎとぼた餅
【風祭りの風景】
彼岸の供え物の代表格は、ぼた餅が挙げられます。ぼた餅は、牡丹の花の形から命名されたものといわれています。また、煮た小豆を粒のまま散らしかけたのが、萩の花が咲き乱れる様子に似ていることから、「おはぎ」とも呼ばれます。いずれにしても、春秋の彼岸に咲く花の名にあやかり、彼岸の儀礼食として仏様に供えられてきた食物ということができます。