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嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」

第1節:嵐山渓谷の川原の石
COLUMN

川原の石の並び方
〜インブリケーション〜


川原の石|写真 上流側に傾斜して揃う川原の石(写真左側が上流)

川原の礫を見ると、上の写真のように平たい石の多くが上流側に傾斜して並んでいることに気がつきます。

このような並び方の構造をインブリケート構造または覆瓦構造(ふくがこうぞう)といい、このように並んだ状態をインブリケーションといいます。

地層中の礫岩のインブリケーションを調べると、その堆積物がどの方向から運ばれて来たかが分かります。
地層ができる際の堆積物の供給方向を古流向(こりゅうこう)といいますが、インブリケーションはこの古流向を調べるための重要なデータになります。

インブリケーションのでき方

インブリケーションのでき方1 上流の川原の礫は、洪水時に流され、移動してきます。
着底した際、上流に傾斜している礫は、抵抗が少ないため安定します。下流に傾斜している礫は、水の抵抗が大きいため再び転がり、流されてしまいます。
その結果、水位が引いたときに礫の並びを見ると、上流に傾斜した礫ばかりになるのです。

第1節:嵐山渓谷の川原の石