嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」
第6章:野生動物の保護
第2節:身近な自然の保護とは
コラムCOLUMN
交通事故と動物
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道路脇にひかれた動物が横たわっているのを見たことがありますか。タヌキやキツネ、ノウサギなど、見るにたえない姿で思わず「かわいそう」と思うことでしょう。人の生活が便利になり、自動車の通行量が増えるにつれて、交通事故にあう動物も増えているのです。キツネやタヌキはたくさんの昔話に登場します。それだけ身近な動物だった証拠です。近くの山をねぐらとする動物が、人家周辺にエサ(残飯)をもとめて道路を横断するときに、交通事故にあいます。特に、タヌキは驚くと失神状態になって倒れてしまう性質があり、いともたやすくはねられてしまいます。
大きな動物だけではありません。あまり気にする機会もないでしょうが、昆虫など小さな命もたくさん犠牲になっています。アゲハチョウやオニヤンマ、オオカマキリなどの大型昆虫や飛ぶことの出来ないオサムシ類、あるいは夜間の明かりに飛んできた虫たちもよくひかれているのを見かけます。
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こうした事故を防ぐためのひとつの手段として、車が通る場所をトンネルでおおったり、逆に動物の通り道を車道の下に設置するといった試みがなされていますが、これですべてを解決できるわけではありません。車を運転する機会が多い方はぜひ、自然にやさしい運転を心がけてください。
1花見台工業団地では、ノウサギの交通事故が多いようです。
2鎌形地区の路上で、若いタヌキがひかれていました。
3蝶の里公園内にトンネルを設置したのは、人が通るのはもちろんですが、野生動物が交通事故にあわないためでもあります。