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嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」

第2節:化石
COLUMN

二枚貝の方位


体(軟体部)の構造で判断

二枚貝の方位|イラスト 二枚貝の方位は、体の構造で判別します。
頭を前とするのが自然ですが、二枚貝に頭はありません。水管の近くに肛門があるので、水管側を「後ろ」、その反対側を「前」と判断するのです。穴があるだけですが、こちら側に口があります。

また、斧足(ふそく)と呼ばれる足は、前に伸びて砂の中に潜る役目を果たしているため、これによっても「前」が分かります。
貝の前後を自分の前後に対応させ、右手側の殻を「右殻」(うかく)、左手側の殻を「左殻」(さかく)と呼びます。

なお、二枚の殻が結合する蝶番(ちょうつがい)にあたる部分は殻頂(かくちょう)と言い、この殻頂側は「背」、開く側は「腹」と呼んでいます。

体の構造が分からない化石では

体(軟体部)が残っていない化石で殻の前後左右を見分ける際は、次の点に注目します。

1.殻の内面の模様
殻の内面の模様による方位判別|イラスト
套線湾入(とうせんわんにゅう)がある側が後ろ
閉殻筋痕(貝柱の跡)が大きい方または退化していない側が後ろ
2.殻の外形
殻の外形による方位判別|イラスト
殻頂から腹側に垂線を降ろして殻が小さい方が前(ただし貝の種類によっては逆の場合もある)
3.耳がある場合
耳がある場合の方位判別|イラスト
耳の大きい方が前
4.殻頂の形
殻頂の形による方位判別|イラスト
前に曲がっている場合が多い
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