嵐山町web博物誌・第2巻【植物編】
3.調査結果の概要
調査は約4年間、最低月2回は現地調査を行い、町内各地域を季節ごとに、もれなく歩くようにしました。
今回の調査では、137科905種類の植物を見ることができました。
最近同様の調査を行った隣接の小川町と鳩山町の結果と比較すると、嵐山町の数字は、鳩山町よりやや多く、小川町より約2割少ないという結果でした。
面積や地形など環境が違うため、単純に比較はできませんが、概ね妥当な数字が出たと思われます。
調査結果は以下のとおり各章にまとめました。詳細はそちらをご覧ください。
- 第1章「嵐山町の植物風景」
- 町の各地域の植物景観を紹介します
- 第2章「四季の植物」
- 環境ごとに、四季おりおりに見られる植物を紹介します
- 第3章「生活と植物」
- 人と植物との関わりについて紹介します
- 第4章「稀少植物と帰化植物」
- 珍しい植物と帰化植物について紹介します
- 第5章「嵐山町の植物リスト」
- 調査結果を一覧表に表してあります
特筆すべき植物
調査の中で特筆すべき植物は、次のとおりです。
シダ植物
シダ植物では、マツバラン、コヒロハハナヤスリ、ミズワラビ、オオバノハチジョウシダ、アカウキクサが観察されました。
いずれも県内でも分布に限りがあり、特にオオバノハチジョウシダは、これまで入間地区に1箇所のみ群生地が知られていました。
町内の自生地は、群落にはなっておらず、一株だけの生育であり、今後も注意深く見守る必要があります。
シダ植物以外
シダ以外では、タコノアシ、サイカチ、アイナエ、ツルカノコソウ、マルバフジバカマ、ヒロハノアマナ、マルバツユクサ、タシロランなどです。
タコノアシ、ヒロハノアマナ、タシロランはレッドデータブックに掲載されており、絶滅が心配されています。
マルバツユクサは関東より西の暖地では普通の植物ですが、本県では稀で1998年版の埼玉県植物誌にも記載がありません。
また、同様にタシロランも記載はなく、埼玉県版レッドデータブックによれば、以前にさいたま市で見られたが、現在は絶滅したとの記録があります。