嵐山町web博物誌・第2巻【植物編】
2.嵐山町の植物概観
嵐山町概念図
嵐山町は北より時計回りに深谷市・熊谷市・滑川町・東松山市・鳩山町・ときがわ町・小川町・寄居町に接し、南北に細長い形で、面積は約30平方キロメートルです。
調査時には便宜上、市野川以北をA地区、槻川・都幾川以南をC地区、その間をB地区として分けて実施しました。
なお、B地区とC地区にまたがる嵐山渓谷は、B地区として取り扱うこととしました。
A地区
A地区の大部分は比企丘陵に含まれ、中央を粕川がほぼ北から南に流れています。川の左右には水田が広がり、その外に向けて畑地があり、雑木林が続いています。
粕川などの川の支流の上部は、ため池になっている場合が多く、また相当な数です(嵐山町概念図参照)。
ここには人里によく見られる植物が多く観察でき、放棄された水田やため池には湿地を好む植物も見られました。
B地区
B地区は東武東上線や国道254号が通り、駅周辺には住宅地や商業地が広がっているためか、帰化植物が多く見られました。
一方、西側は町内最高所の大平山があり、槻川が形づくる谷は嵐山渓谷と呼ばれる名所になっています。谷は深く渓流があり、町内でも、ここにしかいない植物が多く見られました。
C地区
C地区は南に岩殿丘陵が広がっています。ほぼ南に向かうと標高が上がり、なだらかな尾根が町境になっています。
北の槻川に向かうと段丘面が二段に広がり、丘陵には主に雑木林が、段丘面には畑が広がっています。ここでは段丘の間の斜面に、まとまった林が多く残っており、他の地区とは違う植物を見ることができました。
また、都幾川と槻川には比較的広い河原が広がり、ここでは河原などを好む植物を観察できました。