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嵐山町web博物誌・第1巻「嵐山町の動物」

第2章:森や林の主な動物たち

第2節:マツ・スギ・ヒノキ林の動物

2.スギ、ヒノキ造林地の動物

 スギやヒノキの造林地は、嵐山町でも良く見かけます。この林は、町内でもかなり広い面積を占めているのですが、なぜか動物がほとんど見られません。どうしてでしょう。嵐山町あたりのスギやヒノキの造林地で見られる動物は、ほんの数種類の昆虫類くらいです。あとは、冬越しのために樹皮下にもぐりこむものも少なからず見られますが、それにしても雑木林に比べて動物の種類数が大きく減ってしまいます。これは林の構造に原因があるようです。雑木林ではたくさんの種類の植物が生えており、高い場所から低い場所まで枝がしげっています。そのため、植物の種類数や高さに応じて動物の数も多く見られるのです。ところがスギやヒノキの造林地では、樹木の種類はそれのみで、しかも林床が暗いため下草もほとんど生えてきません。このため雑木林に比べて植物の種類も少なく単調となり、動物の種類数も大はばに減ってしまうのです。

荒れた造林地の写真手入れをせずに荒れてしまった造林地。林床にはほとんど日が当たらず、生きものの気配は全くありません。雑木林にしてもそうですが、人がつくった林はきちんと手入れをしなければ長くは続かないということなのでしょう。

手入れされた造林地の写真枝打ちをして、きちんと手入れをしてあげれば、スギやヒノキの造林地でも林床は明るくなります。下草にßは様々な昆虫類が見られるようになり、生きものたちの生活の場としても利用されます。

 
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