第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし
川島の今昔[権田重良]
権田重良
終戦当時の川島地区の屋号、戸主、職業を上、中、下の各組を辿(たど)って見る。
上組
1 綿屋:綿打。権田稔。農。
2 絵馬屋:塗師屋。田幡芳太郎。神社絵馬師。
3 脇の家:絵馬屋の分家。田幡林太郎。農。
4 こまもん:小間物屋。権田喜恵知。農
5 新聞屋:権田喜八。農。
6 篭屋:権田安一。農。戦後移住。
7 新井屋:穀屋。権田和重。
宮前村(現滑川町)水房境まで七軒並んでいる。薬師様東側の市野川近くの台地上に古屋敷(ふるやしき)の地名があり、川縁の低地に下の屋敷(したのやしき)という場所がある。その昔に刀鍛冶の屋敷(権田宇多之守。うたえもん)があったという話がある。又、小さな金山様(かなやまさま)もまつられている。
中組(神社周辺と参道)
神社北側の辻
8 辻の家:権田豊吉。大工。
9 森田屋:森田作太郎。農。下組より移住。
10 権田伊一。下組より移住。
11 中村巳平。水房より移住。菅谷駅前商売。
12 前の家:権田峯吉。農。下組より移住。
13 小沢重太郎。川魚漁。水房より移住。
神社門前
14 小川さん:小川圭三。食堂。
15 善さん鍛冶屋:権田善三。神社奉納鉄棒。上組より移住。
16 川田屋:権田一重。料理屋。上組より移住。
17 藤さん鍛冶屋:権田藤次郎。神社奉納鉄棒。下組より移住。
18 岡島屋:権田徳寿。菓子屋。上組・新井屋の分家。
19 仲次さん店:遠藤仲次。茶店。土産。松山より移住。
十二軒でいずれも神社繁栄に伴い、上・下組及び他所より明治期より昭和初期に移住した。神社周辺に集落が出来て、川島の中組が形成された。
下組(鬼神様の東より滑川町月輪境まで)
鬼神様東側
20 豚屋:初雁勝一。養豚業。明治期に杉山より移住。
21 島負h助。農。島浮ウん分家。
22 島葡|雄。農。
県道東側
23 島浮ウん:島葺a一郎。農。
24 権田左右。佐官。戦後、松山に移住。
25 島赴国セ郎。農。
26 酒屋:森田清。農。
27 屋田:森田與資。農。
下組は八軒である。県道東側は昔、川島の片側宿として十数軒の家並みがあり、篭屋、経木屋。油屋、車屋、荒物屋、紙屋、下駄屋等の屋号の家があったと言われている。
昭和20年(1945)、戦後の川島には二十七軒が存在していた。川島の三家と言われる権田、島普A森田と田幡家は江戸時代にすでに川島に住んでいたが、それ以外の家は明治期より川島に移住した家である。