第6巻【近世・近代・現代編】- 第5章:社会
消防
菅谷区消防団危機に直面 区長に嘆願書を提出
第一分団第一部(菅谷区)の団員十四名は、一月三十日根岸巷作区長に対し団員の組織強化に関する嘆願書を提出して速やかな善処を要望した。嘆願書の要旨は次の通り。
『菅谷村報道』87号 1958年(昭和33)2月25日
二百七十数戸という本村最大の戸数を有する当字に於ては、最近特に村外通勤者が多くなり新入団者もなく在家する同僚も種々の理由から入団を拒まれてをり、家業にたずさわる一部の十数名のみが、その団員に留まらざるを得ない現況であります。その為めに退団者に対する補充は極めて困難となり現在欠員あるにも拘らず今尚退団を申出ている者もある実状であります。それに加え昨年自警団の解散により吾々団員の責任と負担は益々加重であると考え、団員一同慎重なる審議の結果左【下】の通り希望を決議します。
一、入退団及運営等に対(こたえ)る積極的援助に当る組織を早期実現せられる事
二、昭和三十三年度以降における区の公職の選考に当つては団員の兼職をせざる事、
この嘆願書にみられる通り菅谷区は最近特に通勤者が増加し、家業に従事してい【る】者でも入団が拒否されているため、団員の獲得が極めて困難となり、菅谷区消防は危機に直面している。このため区では三月中に区民大会を開きこの対策を協議する。