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第6巻【近世・近代・現代編】- 第5章:社会

第2節:福祉・社会活動

新生活運動

全村の新生活運動
     愈々(いよいよ)八月一日から開始

七月十九日午前九時から役場会議室で、新生活運動協議会が開かれた。
この会議は各地区委員が、新生活運動の実行事項についての各地区の意見を持ち寄り、これをもととして村全体としての実行事項を決定するために開かれたものである。
会議は各種の方面に亘り種々活潑な意見交換が行われたが、結局左【下】の通りに決定した。
一、農休みについて。毎月十五日を村内一斉の休業日とすること、但し六月は除く。
二、時間の尊重について。各種団体に呼びかけて左【下】の事項について協力をお願いすること、各種の集会について集合、開会時刻の厳守。そのためには集り易い時刻と場所を選ぶこと。終る時刻を予(あらかじ)め通知すること。
やむを得ず遅刻又は欠席する場合には必ず主催者に連絡して置くこと。
三、旧い慣習の改廢について
(1)病気見舞 全快の祝のおくり物(お返し)はしないこと。但しやむを得ない事情で行う場合には手拭一本程度とすること。
(2)出産祝い お祝は百円以内として御返しは廢止すること。
(3)正月祝い(破魔弓、かえ軸の類を贈ること)全廢のこと。
(4)節句祝い 男子 鯉のぼりは紙製で二間以内のもの一本とすること。
女子 右【上】に準ずる価格の雛とすること。
◎新婚の送り雛は全廢すること。
(5)七ツの祝い 村又は婦人会青年団公民館等で行うこととし個人祝いは廢止すること。服装は通学できる服装とすること。
(6)婚礼
1調度品の「見まい見せまい運動」を強化すること。
2宴会は手料理程度とし、時間は三時間以内で終るようにすること。
3迎え「いちげん」を廢して出来るだけ一ケ所で行うこと。
4嫁の衣装は親戚団体美容院等から借用し新調はしないこと。
(7)葬儀
1悔返しの引物は一品以内とすること。
2初七日、四十九日、新盆、初彼岸等には隣組各戸代表全員が焼香する。この際配り物はせずお茶を出す程度にすること。
右【上】は昭和三十五年八月一日から実施すること。
但し実施後改正する必要を認める場合には、協議会に於て検討してこれを決定することとした。
(金子慶助) 

『菅谷村報道』113号 1960年(昭和35)8月15日
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