ページの先頭

第6巻【近世・近代・現代編】- 第3章:産業・観光

第3節:農耕・園芸

「観光果樹園」設置

農政課・小林治光 

 今農村に何が求めれれているか。それは今まで私達が築いて来た集落を中心とした農村生活だけでなく都市と農村、農民と都市市民、お互いに交流を図りながら農村地域の活性化を図りだれもが行ってみたい、住んでみたいと言うような、村づくりが大切であると言われております。
 町ではこうした考えから養蚕の低迷により利用されていない桑園の有効利用を図る為、又都市の人達に農業の良さを知ってもらうことを目的として、古里地区*1に観光果樹園を設置しました。
 観光果樹園は、未利用桑園を抜根した二〇アールの傾斜地を利用し一区画を五〇平方メートルとして四十区画設置しました*1
 農園の利用料金は一区画年間五千円とし貸し出した所多勢の皆様から申込みをいただきお陰様でほぼ満杯の状況です。
 現在利用されている人達はほとんど町内の人達ですが、町外の方からも問い合わせが有りますので今後は増設して町外の人達にも貸し出して行きたいと思います。
 利用者のほとんどの人達がすでに思い思いの果樹苗を植付けておりますが一年目ということで果樹のあいだに野菜を栽培しており収穫した新鮮な野菜を自分達の食生活に利用しておるとのことです。
 観光果樹園を時折り訪ねて見ますと利用者の皆さんが汗を流しながら一生懸命作業に取組んでいる所に出合います。話しかけてみますとこんな景色のよい自然にめぐまれた場所で土を耕し作物を作ることが出来てほんとうによかったと言う言葉がかえってきてほんとうによかったと思っております。
 利用者の皆さんに大変よろこばれておりますので、今後も果樹園の増設、又市民農園等の開設も考えて行きたいと思います。

『嵐山町農業委員会報』24号 1993年12月25日

*1:古里岩根沢に1992年度43アール37区画、1994年度16区画10アールが設置され、ゆず、くり、みかん等が植えられた。

このページの先頭へ ▲