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第6巻【近世・近代・現代編】- 第3章:産業・観光

第3節:農耕・園芸

婦人のページ

あゆみ

 槻川の直売所をご利用いただきありがとうございます。会員一同心より御礼申し上げます。
 千手堂生活改善グループ員で、槻川の川原にテントを張り、直売所を始めましたのが、五十八年(1983)七月末でした。昨年(1984)休養地事業として、モダンな建物を町で造られました。
 そして五月二十日に、オープン致しました。最初野菜を並べましたとき、あまりにも立派な建物でとまどうほどでした。ここで売るにふさわしい建物を作り出したいと、懸命に努力いたしてまいりました。町の産業課や東松山農業改良普及所の先生、お客様方の御指導をいただき品質や荷姿等が改善されてきております。
 オープン以来会員のほかに、鎌形、大蔵、遠山、将軍沢等の有志のかたがたの出荷をいただきました。
 会の名称も、今年から「あゆみ」と命名され、皆協力しあって、生産し、販売することを、誓ったのでございます。
 千手堂生活改善グループ員と、鎌形から出荷しておられる二名、計二十六名で当番をきめ、販売に当たっています。売上高の一割を運営費としております。
 種子、農業資材、消耗品等も、一括購入し、経費削減をはかっています。一部作物は、共同育苗し会員に配布して、品質の均一と向上に努めております。
 九月より直売所は土・日曜の販売となりますので、共同育苗したミニトマトの、東京市場出荷を計画中です。
 年間を通じて販売できるよう、農産物及び加工品も含め検討してまいります。場所、方法も研究し、表現致したいと思います。
 この大地にとりくみ、自分たちの手で、良い産物を産み出し、お分かちする大きな喜びを感じています。そしてこの故郷(ふるさと)に互いに生きているという共感をしみじみ感じているのです。このささやかないとなみが、低迷する農村に少しでも役立てばと思っております。
(千手堂生活改善グループ)

『嵐山町報道』334号「婦人のページ」 1985年(昭和60)9月20日
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