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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第4節:平成

平成の大合併

市町村合併を考える

 今日、私たちの日常生活圏はますます拡大し、住民が必要とするサービスも多様化・高度化しています。
 このような時代の要請に適切に対処するためには、市町村の連携による広域行政の展開と並んで、市町村の合併も有効な方策として考えられます。
 住民としての一体感や行政への親近感も考慮しながら、あらためて地域の将来を考えてみませんか。

今なぜ市町村合併?

 今、市町村合併が求められる理由としては、次のようなことがあげられます。

《地方分権の推進》

 地方分権の推進により、「市町村が自ら判断し、その決定に責任を持ち、実施すること」がますます重要になります。そのためには個々の市町村が自立し、地方行政の中心を担うことが求められています。

《少子・高齢社会への対応》

 少子・高齢社会が到来し、市町村が提供する住民サービスの内容は多様で高度になり、市町村にはそのサービスの水準を確保することが期待されています。
 こうしたことから、保育対策や在宅福祉の充実、福祉施設の整備、介護保険の導入に伴う事務等において、広域的な行政の取組が必要になっています。

《多様化する住民ニーズへの対応》

 住民の価値観の多様化、技術革新の進展などに伴い、住民が求めるサービスも多様化・高度化しています。これに対応するため、専門的・高度な能力を有する職員の育成・確保が求められています。

《生活圏の広域化への対応》

 交通・情報通信手段の発達により、通勤、買い物、医療など私たちの日常生活の行動範囲は、住んでいる市町村の区域を超えて拡大しています。これに伴い行政も広域的に対応する必要があります。
 また、市街地や商店も市町村の区域を越えて連続しており、より広い観点から一体的なまち寺つくりを進めることが求められています。

《効率性の向上》

 危機的な財政状況にあるなかで、より効率的な行政運営が求められています。とりわけ、隣接市町村での類似施設の建設には批判があります。

市町村合併のメリット

 市町村合併により次のようなことが期待されています。
・窓口サービスや文化施設、スポーツ施設などの公共施設の広範な利用が可能になります。
・高齢者などへの福祉サービスが安定的に提供でき、その充実も図ることができます。
・保健、土木などの専門的・高度な能力を有する職員を確保・育成することができ、行政サービスの向上が期待できます。
・重点的な投資が可能になり、目玉となる大型プロジェクトを実施できるようになります。
・広域的な視点から、道路や市街地の整備、文化施設、スポーツ施設などの整備を効率よく実施することができ、一体的なまちづくりを進めることができます。
・行政経費が節約され、少ない経費でより高い水準の行政サービスが可能となります。
・地域のイメージアップにもつながり、若者の定着や職場の確保が期待できます。

市町村合併のデメリット

 市町村合併のデメリット(弊害)としては、次のようなものがあるといわれています。
・役場が遠くなって、今までより不便になる。
・中心部だけが発展し、周辺部はさびれる。
・住民の声が届きにくくなり、きめ細かなサービスが行われなくなる。
・地域ごとの歴史、文化、伝統などが失われる。
・福祉などのサービス水準が低下したり、公共料金などが高くなる。
 これらの問題を解決するためには、住民参加の組織で新しいまちづくりの計画を作り、合併後は事務の効率化を図るなどの努力をすることが必要となります。

平成13年3月、埼玉県より例示された合併パターンと組合せごとの人口・面積

(人口は平成12年国勢調査速報値 平成13年3月時点の市町村)

〈組合せ①〉

組合せ1|地図
東松山市・嵐山町・滑川町・吉見町・小川町・玉川村・都幾川村・東秩父村
〈人口〉20万3198人 〈面積〉316.91km2

〈組合せ②〉

組合せ2|地図
東松山市・嵐山町・滑川町・吉見町
〈人口〉14万7810人 〈面積〉163.52km2

〈組合せ③〉

組合せ3|地図
東松山市・嵐山町・滑川町・吉見町・小川町・川島町・都幾川村・玉川村・東秩父村
〈人口〉22万6520人 〈面積〉358.63km2

町の取り組み

 地方分権の推進・少子高齢化・多様化する住民ニーズへの対応など広域的な課題に直面している現在、市町村合併について検討することは、避けて通ることのできない問題です。しかし、ここで市町村合併の話題が出たからといって、すぐに合併に向けて動き出すということではありません。まずは、住民の皆さんが市町村合併をどのように考えているかを把握する必要があります。今年度、嵐山町では市町村合併の住民意識アンケート調査を行います。(無作為抽出)アンケート調査票が届いた場合ご協力ください。
 また合併についてのご意見をお待ちしております。

問合せ 役場 企画課 企画振興係

嵐山町広報『嵐山』109号 2001年(平成13)11月1日
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