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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第4節:平成

嵐山町

自然とのふれあい・やすらぎの場

62種類の蝶が舞う 蝶の里公園がオープン

 ふるさと創生事業の一環として、平成3、4年度の継続事業として進められてきた「蝶の里公園整備」が今年3月末に竣工し、4月30日に開園式を迎えました。
 蝶の里公園は、ビオトープ(生物生息空間)の考えを取り入れ、人と自然がふれあえる”蝶の舞うふるさと嵐山”の拠点として計画されたものです。
 4月30日の開園式では、来賓など多くの関係者が出席するなか蝶の里公園内で盛大に挙行され、また、式典に引き続き、日本桜の会の土屋桃子先生による記念講演や、埼玉気球クラブの協力による熱気球イベントなどで園内がにぎわいました。


蝶の里公園開園にあたって

               嵐山町長 関根昭二

 「嵐山町オオムラサキの森活動センター」がオープンしたのは昭和63年7月でした。県民休養地基本計画が決定したのが57年、オオムラサキの保全方針を決定したのは58年、菅谷小学校や鎌形小学校の子どもたちがオオムラサキという蝶の勉強を始めたのが59年、翌年オオムラサキの森づくり基本計画が策定されました。
 町では「オオムラサキの森づくり協議会」が発足しました。61年には用地の買収が完了し、翌年から県で活動センターの整備を始めました。そして63年に工事が完了するとともに県が町に管理を委託したのであります。
 その後竹下内閣によりまして「ふるさと創生資金」として各市町村の自治体に一億円の事業資金が交付されました。町ではこれを如何に有効に使用するか町民からアイデアを募集いたしました。その結果三つの案が決まりました。大平山の整備、駒王太鼓、蝶の里づくり事業であります。
 蝶の里づくりはオオムラサキの森を中心に接続する土地を求めてここに多くの蝶が飛び交う蝶の里をつくるものです。調査の結果で60余種の蝶が居るとのことですので、それぞれの蝶に適応した草花や植栽をして一種でも多くの蝶が生息できる公園になることを願っております。この附近は環境庁から「生きものの里」としての指定を受けており、さらに建設省からは「ふるさとの川モデル事業」にも指定を受けております。
 私たちは祖先から受け継いだこの尊い自然環境を守りながら、次代の人々により素晴らしいものとして残して行きたいと念願しております。


蝶の里公園整備概要

整備場所 埼玉県比企郡嵐山町大字菅谷地内
総面積  35,243.22m2
樹木種類 48種類(主な樹木/コナラ、クヌギ、エノキ)
樹木総数 5,536本
総工費  786,945千円
着工   平成4年1月18日
竣工   平成5年3月25日


なぜ、雑木林は必要か

 雑木林は、クヌギ、コナラなどの広葉樹が多く、日当たりや風通しの良い明るい林ですがその林から得られるマキや落ち葉などを利用するために、昔から人々が手入れをしてきました。そこには草花など、小さな生き物の住み家が広がっていました。また人々には、手軽に四季の自然が味わえ、心温まる場所であり子どもたちにとっては、つきない冒険の場でありました。こうして、林を積極的に利用することによって、そこにすむ昆虫や他の生物を守り、雑木林を育てることができるのです。
 みなさんも、もう一度雑木林を見直してみませんか。

次はオオムラサキの森・蝶の里公園イラストマップです


蝶の里公園・オオムラサキの森マップ

注意・このイラストマップは、15年後の森をイメージしたもので現況とは異なります。

蝶の里公園・オオムラサキの森マップ

『嵐山町報道』420号 1993年(平成5)6月1日
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