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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第2節:昭和(町制施行前)

菅谷村

村長就任に際して
       村長 関根茂章

 新村長になった関根茂章氏は九月九日初登庁し、全職員を第一会議室に集めて就任の挨拶をした。また青木前村長も出席して新村長を紹介した。
 新村長と前村長との事務引き継ぎは九月十一日村長室で行はれ関根新村長により村政の第一歩が始められることになった。十二日には関根新村長就任後の初の議員協議会が開かれ山下議長に紹介された関根新村長は全議員の拍手に迎えられて就任の挨拶をした。
 合併後の非常にむづかしい時代を、青木・小林両氏のコンビで村政の執行を担当され、菅谷村を今日の発展に導き、将来の躍進への基礎を固められたのであります。この両氏の、長年にわたる鏤骨(ろうこつ)の御努力と御尽瘁(じんすい)に対し、またこの両氏を支持された村民の各位に対し、深甚なる敬意と感謝の意を表する次第です。
 今回、図らずも両氏の御勇退の後を受けて、私が村長として村政を執行することになりました。
 もとより浅学非才ではございますが、長期にわたり、私に寄せられました多数の村民の方々の強烈な御誠意と、幼児から私を育くんでくれた故郷の美しい山河に対し、私はただひたすら奉仕の誠をつくして応えたいと思います。
 今日の菅谷村が、幾多の先人達の努力の集積の結果築かれたと同様、将来の輝かしい発展と興隆の芽を今ここに胚胎させこれを健全に育成することが、私共の義務であろうと存じます。そして、先人への感謝と報恩、未来への希望と理想も現実への逞しい実践によってのみ可能であります。
 村は東京都の近郊であり内からも外からも激しいテンポで変貌しつつあります。この変貌を、村民の理想と意欲を結集した真の興隆に導かねばなりません。
 私は真心をもって、村民の声を聞き、勇気を奮って理想の実現に献身いたしたいと思います。村民各位の御支援と御協力を切に懇願する次第です。(九月十日)

『菅谷村報道』155号 1964年(昭和39)10月10日
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