第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政
菅谷村
自由党【自民党】支部結成に疑問
最近自由党【自民党】とか云う団体が出来たのは村民の皆様も報道において御承知でせう。我々下層階級の者には理解に苦しむ処で何のためにそうした団体を結成しなければならないか、人口壱万そこそこの村位は一つの家庭の延長したもので大家族位にしか考えられません。村長さんは議会においても村民の集会にも明るい村造りに精進したいと申されております。
『菅谷村報道』101号 1959年(昭和34)7月10日
農村地帯で大家族の中で党派争いは禁物だと思う。そこで昔から遠くの親類、近くの他人と言う事がある。私達代表者が表は地元候補を推薦し、裏は他方を応援するようでは真に村を愛するとは言い得ない。愛村とは一つの明文で其の実一部の分子の圧力により今後村に大きな溝が出来はしま【い】か、それが心配です。
自由党【自民党】と言う大幟を押立て何をするのだろう。
村内に反対分子を作れと催促するのか、今年は選挙の当り年で選挙だけに使う自由党【自民党】なのか、理解に苦しむものである。有識者の諸君何とか次回の紙上に御回答を願つて疑惑に迷う者に御指導を下されたい。共産党でも社会党でも自由党【自民党】でも一つの和があつて始めて明るい村の基礎だと存する次第であるが御意見を承りたいと思う。(吉田船戸祥敬)