ページの先頭

第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌

第7節:七郷村郷土研究(抄)

第一編 緒論

 

三、基礎觀念の養成

 從来其の方法の上から次の三つに分られて居る。

1尋常科五學年の始めに於て地理科に入る前二三週間を割きて地圖の見方其の他について授けんとするもの
2一般の地理・歴史に入る前(主として尋常科四學年を終る迠に)一定の時間を割きて授け行くもの
3尋常科四學年を終る迠に一定の時間を設けず主として讀本の郷土科的材料に連関をとりて附設し行かんとするもの

 この三者何れも長短はあるだらうが余は第三設に類せるものに依ってゐる。即ち尋常科四學年迠の教科重に讀本に於て養ひ(「吾が校に於ける基礎感念養成細案」に詳しくのぶ)更に尋常科四學年の終りに於て(凡そ三時間)之れを整理し、尚第五學年に昇級後各學年(重に地理科)に入る前に於て系統的に整理復習(二時間)するのである。またこの方面より見たる校外教授を研究して教授者の實地踏査及び系統的具體要項等によって校外教授前の豫備、教授後の整理をなすことが必要である。要するに基礎的感念は重に直接感察によりて養成さるるは申す迠もないが模型又は地圖(平面的抽象的)によりても養はるるものであります。

七郷尋常高等小学校(板倉禎吉編)『郷土研究』(嵐山町立七郷小学校蔵)
このページの先頭へ ▲