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第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌

第7節:七郷村郷土研究(抄)

第二編 郷土研究

第五章 七郷村の觀察

第六節 村の政治

觀察要項

 お上と云って人民の或は恐れ、或は其の保護を受けて居る所の物は何であるかと云ふ様な點から村に於ける政治上の機関を列擧させる。巡査派出所、村役場等。

1 村役場

 村役場はどんな仕事をして居るか、何人がやって居るか、吾々は其れに依ってどんな利益を得て居るか、役場の費用は誰れが負擔するか、租税とはどんな物か、役場の費用は何程かかるか、何に遣はれるか。村役場の力はどれ迄及ぶか、村の上級で監督する物は何か、村の権力はどこから得た物か、等から自治團體である。上級官廳の指揮監督を受けて國の行政の一部であること。

2 立法

 町村に於ける立法機関の代表する物は村會である。毎年の豫算、町村費の徴収方法、其の他町村の政治の方針等について會議決定するのであり増す。帝国議會は之れの大なるものであることを類推させるのである。郡會、縣會などの組織も全く之れと大同小異である。斬様な觀察點から導いて、町村議員選擧、其の権限、其の成立、其の結果の町村に於ける状態、従って町村會議員などの名譽職、町村のために力を盡して居る人々であるから感謝せねばならぬ。

3 行政

 町村に於ける行政機関と云ふは立法機関なる町村會にての議決した事項を所謂町村長、助役以下の吏員が其の委任権限の範囲内に於て實行する方面は下の如し。
 一 教育の方面
 二 農工商等の方面
 三 衛生の方面
 四 兵事に関する事、
等の種々なる方面の事務を司さどり、以って村民の繁栄幸福になるように活動して居る。是れ中央政府の文部省、農商務省、内務省、外務省、陸海軍省等の諸機関に対すべきもので、只機関の大小、範囲の廣狭等の違いこそあれ等しいものと解される。

4 司法

 これは村のはないがわが郷土でいったら区裁判所である。是れは天皇の御名に依り罪人を裁判すると云ふ様な法律になって居ります。

七郷村の議員数 郡會議員 一人  村会議員 一二人
村吏員 村長 一人  助役 一人  収入役 一人  書記 四人、

七郷尋常高等小学校(板倉禎吉編)『郷土研究』(嵐山町立七郷小学校蔵)
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