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第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌

第7節:七郷村郷土研究(抄)

第二編 郷土研究

第五章 七郷村の觀察

第三節 住民及び分業

觀察要項

1 人口の總數
2 地積との密度・戸数一戸當人口、一戸當の地積等
3 住民の階級 金持と貧民との割合
4 最も多人数の従事してゐる職業
5 商店の位置・種類

七郷村の住民

戸數
 現在戸數 四十三年(1910) 四八三戸
      四十四年(1911) 四九五戸
人口 本籍人口、現住人口
 四十二年(1909)
  現住人口 男一五二七 女一六三〇 計三一五七
  本籍人口 男一六七三 女一六八〇 計三三五三
 四十三年(1910)
  現住人口 男一五七二 女一六五五 計三二二七
  本籍人口 男一七二四 女一七二〇 計三四四四
 四十四年(1911)
  現住人口 男一六二四 女一七〇一 計三三二五
  本籍人口 男一七五〇 女一七四四 計三四九四

 右によれば一年間に平均現住人口に八十四人、本籍人口に七十一人の増を見るに至った。この割合でいくと本村の現住人口は五十年に及ばずして二倍する筈である。現今本村一家の(田畑)耕作反別は一町歩に充たず、實に小規模で殆ど器械及び家畜の力を藉ることなく、専ら手工にまつのみである。獨り本村のみに非ざれども、斯の如く小仕懸で而も斯の如く周密なる農業は園藝を除く外、世界に其の比類なしといふ。現今にして斯の如し。将来に本村人の二倍、三倍する時に於て、果して如何とかする。憂ふこと勿れ、人之の進歩は測知すべくもない。測知すべからざる智識を應用して農業の改良発達に資せば、本村農業の前途望多しとせねばならぬ。次して今日周到たる農業の行なはれ居る地方と雖も、現今に於ける農業上の智識を悉く應用し盡せるものに非ざるに於ては。
 わが村の族稱別人口は華族も士族もなく平民に三三二五人あるだけである。

入寄留出寄留(男女別)  四十四年(1911)十二月末
 本籍人ニシテ他市町村へ出寄留者
  他市町村へ出寄留者 男一六一 女一一五 計二七六
  陸海軍在營艦者 男一六 女 計一六
  囚人懲治人 男五 女 計五
  在臺湾 男二 女 計二
  在外国 男一 女 計一
  計 男一八五 女一一五 計三〇〇
 他市町村ヨリ入寄留者 男五九 女七二 計一三一

人口年齢別(本籍)
 第一
  五歳未満者
   無配偶 男二二〇 女二四二 計四六二
  五歳以上十歳未満ノ者
   無配偶 男一六九 女二一〇 計三七九
  十歳以上十五歳未満ノ者
   無配偶 男一八三 女一七九 計三六〇
 第二
  十五歳以上二十歳未満ノ者
   有配偶 男  一 女  三
   無配偶 男一六六 女一六〇
   計三三〇
  二十歳以上三十歳未満ノ者
   有配偶 男一一六 女一六九
   無配偶 男一九二 女一〇〇
   計五七七
  三十歳以上五十歳未満ノ者
   有配偶 男三三六 女三三三
   無配偶 男 七一 女 六〇
   計八〇〇
  五十歳以上六十歳未満ノ者
   有配偶 男一一三 女 九六
   無配偶 男 二九 女 三五
   計二七三
 第三
  六十歳以上八十歳未満ノ者
   有配偶 男 九六 女 六五
   無配偶 男 五一 女 八五
   計二九七
  八十歳以上ノ者
   有配偶 男  四 女
   無配偶 男  三 女  九
   計 一六
  合計
   有配偶 男 六六六 女 六六六
   無配偶 男一〇八四 女一〇七八
   計三四九四

人口職業別
 農業 四六三戸 三二八〇人
 漁業 10戸 30人
 養蚕 403戸 2821人
 絹織物製造 5戸 15人
 染物色出し練及晒業 2戸 10人
 紙品製造 1戸 6人
 表具師 1戸 6人
 物品販売業 一一戸 四〇人
       58戸 232人
 質屋 3戸 20人
 木挽其他木材挽割業 8戸 40人
 桶及樽製造 3戸 10人
 建具指物箱類製造 1戸 4人
 旅人宿 一戸 三人
 豆腐製造 5戸 26人
 菓子製造 1戸 2人
 飲食店 15戸 60人
 製茶 300戸 1500人
 大工 9戸 61人
 左官 5戸 25人
 車馬運輸業 12戸 50人
 石工 3戸 13人
 官公吏員 一戸 五人
      5戸 25人
 屋根職 4戸 26人
 神官 2戸 12人
 僧侶 五戸 一五人
 鳶職 3戸 15人
 籠職 3戸 12人
 医師 一戸 三人
 賣藥商 1戸 5人
 牛馬商 3戸 15人
 小学校教員 一〇戸 一〇人
   但し算用数字は兼業なり。

資格別
 公民数         三三〇人
 衆議院議員選擧資格者数 一六一人
 縣會議員選擧資格者数 二四七人
 郡會議員選擧資格者数 二四七人
 村會議員選擧資格者数 三三〇人

戸口當 四十三年(1910)十二月末日調
 一戸當反別 二町二反五畝四歩強(民有地全部)
 一人當反別   三反三畝二十二歩
 地租一戸當 拾弐円五拾八銭三厘
 仝一人當   壱円八拾八銭七厘
 一戸當田 五反一畝一歩
 一人當田   七畝十九歩
 一戸當畑  四反八畝五歩
 一人當畑    七畝七歩

七郷尋常高等小学校(板倉禎吉編)『郷土研究』(嵐山町立七郷小学校蔵)
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