嵐山町web博物誌・第3巻「嵐山ジオロジア」
第1節:岩畳をつくる岩石
1.結晶片岩
岩畳をつくる結晶片岩 〜紅れん石片岩〜
撮影地点
川の流れはゆるやかで、手前に向かって流れています。写真の左側に岩畳が見られます。
この岩畳は結晶片岩(けっしょうへんがん)という岩石から作られています。
嵐山渓谷の岩畳をつくる結晶片岩
ここの岩畳をつくっている結晶片岩は、白〜薄いピンク色をしており、その白と薄いピンク色がしま模様をつくっています。
この岩石は紅れん石片岩(こうれんせきへんがん)と呼ばれています。
この紅れん石片岩を薄くして、顕微鏡で観察すると、六角形や四角形をしたピンク色の鉱物が見られます。この鉱物が紅れん石で、大きいものは1.5mm程です。
細長い紅れん石が列をつくっていることが確認できます。細長い鉱物が一定の方向に並んでいるのが結晶片岩の特徴です。この特徴こそが、結晶片岩の「薄く剥がれやすい性質」の原因なのです。
紅れん石の列の間の白色〜灰色の部分は、多角形の石英(せきえい)により埋められています。
さまざまな結晶片岩
撮影地点
槻川(つきがわ)には結晶片岩の仲間である石墨片岩(せきぼくへんがん)、緑泥石片岩(りょくでいせきへんがん)も見られます。
石墨片岩は、石墨を含むため黒色〜灰色をし、緑泥石片岩は緑泥石を含むため緑色をしています。
- 石墨片岩
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石墨が含まれるために黒色をした結晶片岩。
ポットホールのほとんどは、この石墨片岩でできています。
※ポットホールの詳細は「2節:自然がつくった造形」を参照 - 緑泥石片岩
- 板碑などに利用された緑色の結晶片岩。
第1節:岩畳をつくる岩石