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第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動

第3節:法人組織

国立女性教育会館 (NWEC)

若いお母さんが学習するために

                  武谷敏子

 去る八月二十八日、国立婦人教育会館におきまして、ともろう会が主催した「講演と映画の会」にお子さん連れの方が何人かお見えいただいたのですが、終了後のアンケートに〝四時間を無駄にした〟と、書かれた方ヘお詫びを申し上げると共に、状況を説明させていただき、併せて一つの問題提起をしたいと思います。
 現在、国立婦人教育会館を利用する場合の幼児の扱いについては次のようになっています。
一、事前に保育の申込みをする。
二、定員二〇名。
三、幼児が、一グループ五名以上になる場合は、保育担当者を同伴する。
四、幼児は二才から学令まで。
(会館幼児室利用のしおりから)
 右【上】のようなことなので、あらかじめご相談のあった方にはご理解いただくことができたと思っておりますが、なお、徹底していなかったことにつきましては、大変にご迷惑をおかけしまして申しわけございませんでした。
 今回の例に限らず、多人数を対象とする催しごとの場合は、いつも幼児のことが問題になります。
 生涯教育とか、社会教育とか叫ばれていながら、子育て中の女性が気がねなく会場に参加できる例は極めて少ないと思われます。
 その解決は、もちろん、本人が努力するべきでしょうが、核家族化している現代社会では、なかなかむずかしいようです。
 教育の重要さは幼児期にあることは、いまさら言を待たないところであり、学習の機会均等の点からも早急に考慮されなければならないことだと思います。
 今回、私どもが主催するに当りましても、知る限りの人を頼って保育担当者を探しました。
 こうした場合にも、ボランティア情報センターとか、人材バンクのようなものが設けられていれば比較的簡単に解決することではなかったかと思います。
 幼児をもつ若いお母さんたちが自分の問題として考えていただくとともに、地域に散在しているボランティアや、心ある人たちが連係することで打開の方法は見つかるのではないかと思うのですが……いかがなものでしょうか。
(志賀二区 ともろう会会長) 

『嵐山町報道』309号 1982年(昭和57)9月30日
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