第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
嵐山町母子愛育会昭和48年度合同研修会(1973年度)
愛育会について
広野支部・宮本郁代
私にとって死ぬほどつらかった10ヵ月間の長い妊娠の日々を経て無事出産にこぎつくことが出来まして、約半年を過ぎようとしている矢先、愛育会の役員を受けました。
嵐山町母子愛育会『昭和48年度合同研修会資料』
妻となり、母親となり、家事に追われつつの私には、大変な重荷となりました。果して愛育会活動にどの程度の協力をしていけるかが疑問でした。
第一回の役員会議に出席したとき、愛育会という「システム」をいかに理解しPRして行けるかすっかり自信を失ってしまいました。何故なら子供連れは私だけでありましたから、いったい愛育会の主とする所はなんだろう、こんな現状の中で、現代の育児について何が話し合えるのだろうか、複雑な気持で一杯でした。そして会合を重ねるうちに、保健婦さんや助産婦さんから愛育会活動について、くわしく説明があり、始めて認識されたのです。子育を生み育て、お年寄りの健康管理等すべて私達主婦の役割こそ重要であることを深く反省させられました。それに合せて、心身の健全さが、隣近者にとってなにより連帯を持つものだということも実感として湧いて来ました。
私の身辺を見わたしても、すべて関係してくるもので、絶対に欠かすことの出来ない愛育会システムだと痛感いたしました。今思うと私の浅はかな考えであったのです。何も幼児を持つ者ばかりの集いでは何にもならない。経験豊富な人達との交流をすることによって、若い母親にも大変勉強になるのではないでしょうか。
私も愛育会に入って、早いもので後わずかで1年になろうとしています。毎月の家庭訪問が頭から離れない。今日こそはと思いながら一度も出来ず残念に思っています。
何かが心にひっかかってならない。鉛筆とカードをもって出かけては何度家に戻ったことか。
まだまだ私には愛育会の活動内容が自分のものになっていない。本当に理解できないことに気付いた。
核家族の家もあれば、お年寄りだけの家庭もある。種々雑多、得るものは沢山あるはず、1戸1戸の家庭環境を十分理解し、有意義な訪問をするには、もっともっと会員の方達の協力が必要だとつくづく思いました。
子供を育てること、明るい家庭を築くのも、主婦の健康な身体が重要視されるのではないでしょうか。それにはやはり愛育班活動を役立て、知識を高めていくことより他ないのではないでしょうか。私も2年前こお会を知っていたら、10ヵ月という長い間、あんな不安な日々を送らずに済んだのだなあと、今更のように感じさせられました。
現在年老いた祖母をかかえ、1才7ヵ月になるいたずら坊主を相手に忙しい毎日を送っているかたわら、いつも愛育会の一員であることを忘れることが出来ません。