ページの先頭

第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動

第3節:法人組織

菅谷地区・七郷地区母子愛育班合同体験発表会(1965年)

愛育会の経過報告について

            大蔵支部 柏俣貞子

 大蔵支部は会ができてまだ1年たらず、皆様に体験発表として申し上げることもまとまらない状態でありますので、支部活動として発足してから今日までの経過をのべさせていただきます。
 大蔵は約90戸ほどの部落ですが、数年前婦人会が解散してしまってからは、それに代るものは何もなく、外に勤める婦人も多くなり、めんどうだから作らないといった状態が続いておりました。しかしそんな中にも小さな部落にもかかわらず、新しく来られたお嫁さんとは口を聞いたことがない。だから婦人会に代って何か若いお嫁さんの会でもあったらと感じている人はあっても口火をきる人はありませんでした。そんな時、戸口助産婦さん、篠崎保健婦さんから「どうも大蔵は乳児検診の結果を見ても、赤ちゃんの発育も思わしくない。一般に関心が低い。愛育班を作っては」ということで、早速数人の人に話をしてみると皆、賛成してくれましたので、それでは若いお母さんを中心にということで、最初に集まったのが3月19日に22人でした。私達は愛育会の内容についてはミルクを貰える位で何も知りませんでした。
 篠崎、福田両保健婦さんに来ていただき、愛育会の大切なこと、今までどんな事業をして来たかなど説明してもらいました。そして役員を決め、大蔵支部として自主的に活動を始めたのが4月に入ってからです。以下簡単に現在までの行事を紹介します。

 (1) 4月14日 39年(1964)度愛育班総会の報告、母子愛育会会則の説明、大蔵支部事業計画についての話し合いを行う。
  (イ)子供のしつけについて (ロ)料理講習 (ハ)家族計画 この三つを今年の課題に決めました。この時、生花、その他趣味的なこともやりたいという意見もあり、愛育会の目的である、母子保健衛生問題を中心にして、他に私達身近なことについての話し合いの場にしたいという希望が多く出ました。

 (2) 5月8日 戸口助産婦さんを中心に座談会
 2月に行なう予備知識として家族計画は、いかに大切か、母体の健康、出生児の生育環境等考慮しなければならないこと、その他交通事故、最近性病の多いことなど種々な問題で、午前9時より正午まで、あっというまに過ぎてしまいました。

 (3) 7月21日 乳児のしつけについて戸口助産婦さん、篠崎保健婦さんにおいでいただき、保健婦さんより、しつけの原則(食事、排泄、睡眠、着物、清潔)について分りやすく説明してもらい、育児について困ったこと、どうしたらうまくいくかを話し合いました。
  (イ)兄弟げんかをして困る、(ロ)下に赤ちゃんができ上の子がいじめる。(ハ)子供の小遣いについて、(ニ)赤ちゃんの夜泣き、(ホ)冬の厚着、(ヘ)ごはんを食べない。その他いろいろ誰もが感じていることを話題に、それぞれの経験談と助産婦さん、保健婦さんの専門的な御意見によって大変有意義に会合を終りました。

 (4) 8月26日 7月の行なわれた保健所長さんの「ガン講話」について、当日大蔵より出席が少なかったので1人でも多くの人に知ってもらうため報告いたしました。又ある人からマヨネーズの作り方を聞かれましたので、その作り方と夏野菜を使った料理をいくつかプリントしてあげました。

 (5) 12月10日 幼児向料理の方法と役員会議の報告のあと、体験発表の問題について話し合う。

 主な支部活動は以上ですが、今では会員も1人2人とふえ、28人になりました。会合の参加者は常に15人〜20人くらいでしたが、1回30円会費での茶菓をつまみながら、いつもなごやかな楽しい会でした。区の方々の協力によって区費より愛育会へ事業費をいただきましたので、来年はあんなふうに、こんなこともと、他の地区活動を参考にしながら、会合のたびごとに意見を出し合っています。又、離乳についての質問や幼児の身体検査を、支部で行ないたいとか、皆んなの積極的な意見が集って来た事は本当によかったと思います。
 戸口助産婦さん、篠崎、福田保健婦さん、その他多くの方に御協力いただきましたが、今後一層の御指導をお願いいたします。

菅谷地区・七郷地区『母子愛育班合同体験発表会』資料 1965年2月15日
このページの先頭へ ▲