第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
母子愛育会(愛育班活動)
愛育班を育てましよう
保健婦 篠崎満子
昨年結成されました愛育班も今年から活動を始めることになりました。愛育事業は主旨が母子の健康を護りより向上させ健全な社会人を育てあげてゆくという目標をもつた一つの組織活動といえるでしよう。菅谷村の衛生統計からみましても乳幼児の死亡原因が未熟児というお母さんの胎内で充分発育しなかつた赤ちやんが多くその他流産早産なども相当数あります。又、家族計画が普及されている現在まだその考え方をあやまり人工妊娠中絶が行われていることはほんとに由々しい問題ではないでしようか。これは衛生統計からみたほんの一例ですが、まだとりあげなければならないことはたくさんあります。このような私達の体と結びついた問題の解決をはかり母子福祉のため愛育班活動をはじめたわけです。
『菅谷村報道』110号 1960年(昭和35)5月15日
終極の目的は明るい村を作ることです。この活動は婦人が主体となつて愛育班を作り保健所や村の指導者層の援助を受けみんなの協力のもとに行うものです。班員の仕事としては受持世帯の家庭訪問や医師助産婦などの連絡により地区の人達のよい相談相手となつていただくと共に母子衛生について学び実行にうつしていただくということです。私達が日常生活において自分だけでは解決できない面がたくさんあり他からの援助によつて道が開ける場合も少くありません。愛育班の仕事を通してお互が健康的な生活をうちたてゝいただきたいものです。
今年は次のような計画にもとずいて事業を行うことになりましたので愛育班活動の本質を理解いただくとともに協力のほどお願いいたします。
一、愛育班役員基礎講習…七月
一、乳幼児相談…毎月一回
一、連絡協議会…二ケ月に一回
一、村の保健衛生事業に対して受持世帯に知らせたり実施日に参加する。