第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958
短歌
志賀 高橋静江
旱害もあらしもたえて出穂(しゅっすい)の稲田に立てば黄金の波うつ
花かけも半ばをすぎしみどり田におびの如くに彼岸花さく
おくいねもはなふるきおえたれそめしひろき田圃(たんぼ)にとんぼとび交う大蔵 金井ヨシ
今日もまた雨乞ひむなし炎天に陸稲いたわり草むしりする
田草取る人挨拶する人も恵の雨にほほ笑みてゆく志賀 高瀬喜久子
かみなりの音におびえて子等はみな早く行こうとわれにまつわる
今日もまた桑つむ仕事急ぎつつ丑寅*1方に見ゆる黒雲
雨だれの音にまじりて虫の声去りゆく秋を今をさかりと*1:北東の方角。
川島 浜野あきら
ままごとの道具ならべてをさな子はわたしが母よといいあらそへり志賀 栗原登志子
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
愛らしきほほえみ浮かべたのしげに語ろう君はいづこの人か
行きずりにふと見し人のあまりにも亡き友に似て何かかなしき