第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958
自由詩
夜の雨
志賀 高崎静子
遠い空から雨は落ちてくる
くらやみの夜の中に
しめやかに地上をぬらす
ただその気配だけの
夜の雨は
静かに心の中までしみ通り
やがて又涙となってあふれ出る
ひそやかに夜のやみを
かなしみながら雨は落ちる喜びの門
千手堂 高橋さき
みんなで働いて
みんなで食べて
許しあい 愛しあい
喜びあって 生きてゆく
これでいい
充分だ
人生は理論ではない
喜びの門には
いつでも誰でも 入って行くゆく春
志賀 栗原登志子
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
うすとき色の桃の花
香り床しく開く頃
春訪れて幸ありき
祈る我が身にいづれ又
別れゆくらん君故に
心に秘めた春の曲
清き願いの純情歌
共に歌はむ春の歌
何故か今宵はうら淋し
楽しかりしは短かくも
又来る春よその日まで
名残りは惜しき春の宵