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第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動

第1節:婦人会

菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958

働き者の惣さん

            千手堂 中島初子

1.八十越した惣さんは     村一番の働き者
  未だに野良へ出ていって   畑の草をむしってる
  とんびが飛ぼうが輪をかこが そんなことは知らん顔
2.若い時から右も見ず     左も見ないで一すじに
  百姓一本生きて来た     我家のため村のため
  近所づきあいなごやかで   こんな惣さんめずらしい
3.この頃いくらかだるそうだ  けれども惣さん野良へいく
  杖をつきつき野良へ行く   畠のあぜで腰おろし
  草をむしって一休み     その内惣さんうとうとと
4.米のなる木の真中で     黄金の波にゆれながら
  過し昔を思ひ出し      米の子供があらわれて
  惣さん惣さん歌おうよ    声をそろえて歌おうよ
5.畠たがやし蚕飼い      種を蒔いたり手入れして
  夏は草刈り冬木の葉     家に居る時ナワをない
  ばあさん一所にたすけあい  本当に惣さんえらい人
6.あまりあたりがにぎやかで  惣さんびっくり目をさまし
  あたりを見れば誰も居ず   今のは夢かと苦わらい
  昔も今も変らない      働き者の惣さんよ

菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
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