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第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動

第1節:婦人会

菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958

希望

            志賀 内田豊子

 毎日の仕事に追はれて居る私たち農村婦人は、一日のうちに本をよんだり新聞を見る時間がどれだけあるでしょうか。わづかな時間があるのは夜だけで、それでも一日の激しい労働のために夕食を食べてふろから出るともう床に入るのが精一ぱいです。本を読み物を考える事もなく、ただ牛か馬のように働くことで過ぎて行き、眼まぐるしいやうに進歩して行く社会の流れから自分だけが取残されて行くやうなきがします。電化、機械化と叫ばれる今日、婦人に取っては一ばん身近な台所改善すらもはかばかしく行かないのです。自分だけが苦しみ悩んでいても仕方がありません。あきらめたり絶望したりしないで、社会へ送り出す子供たちのためにも、良き事は日常生活に取り入れてお互に話合をしてみたいと思って居ります。ともすれば私達婦人会員が会合に行くのを白い眼で見られ、つい出足がにぶり、人眼をさけて行くやうになります。隣近所さそいあって、婦人学級や料理の講習に行けますやう家族の協力を希望致します。

菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
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