第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958
自主性をスローガンに
根岸 小沢幸子
都幾川の清流にのぞみ和やかな村落、ここに根岸支部がある。前方は山、その間に黄金の波を打って稲が実っている。東西にのびる一筋の道は朝夕交通の激しい重要な県道である。
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
根岸喜会長を指導者と仰ぎ乍ら、一善会と名づけ現在に至っている。会合の度に知識を広め、気を新にする楽しい集であるので、忙しい時など会合がなく、淋しい物足りなさを感ずる。
去年のスローガンは「人の悪口は云はぬ事」であった。女はとかく口が煩(わずらわし)く思はぬ禍(わざわい)を招く事が多い。『口は禍の元』を念頭に一年間全員の一致協力の成果はすばらしい。
今年のスローガンは『自主性をもつ』ということである。日常生活に於ても女は昔の習慣から人ばかりを頼りにして、自分を生かす事をしない。何かというと人の顔色を気にする。善いと思うことでも人がしなければ仲々進んでやれない。長い間の封建性が女を自主性のない者にしてしまった。何事も自分で自分の生きる道は開拓してゆかなければならないと思う。現在の根岸支部はそうした方面から着々と発展しつつある。