第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号1958
思いのまま
志賀 恒木才子
新しい民主教育の一端として正しい批判をすることが大切でありますが、其の基盤をなす物指しが個人によって大小さまざまで私達は少しでもこの物指が正しく清く立派であるように日夜修養に務めているのです。
菅谷地区婦人会『つどい』創刊号 1958年(昭和33)11月
近頃の子供は理屈ばかり言って親の言は一向に聞き入れないと言う声をしばしば耳にするが親である私達にも一応考える点があると思います。それは子供の批判力と親の批判する物指しに相入れない点があるからです。嫁と姑との間が円滑に行かないのもお互の物指しが狂っているからです。まずそのひずみをお互いに直して行く事が円滑な家庭を築く原動力となる事と思います。姑が立派だと嫁がばかに見え、嫁が利巧だと姑が不足に見えて心の一致が出来ないので不平を外にまで報道して自ら他人に広告している人もいるのです。もっともお互に不足の本は助け合い話しあって楽しい我が家にすることが姑のつとめであると思います。
婦人会の講習や講演会に子供をつれて来て泣かしたり、さわいだりして他人に迷惑をかけているのを、当然のように考えている会員もありますが、熱心に聴講している会員は不愉快であると思います。姑がもっと理解して「子供の守りは自分が引受けるから、しっかり勉強して来なさい」と子供の心配がなく出席されたら其の理解ある心に本気で受講し身についた講習が出来、休憩時間に姑の悪口など話し合っている時間はないと思います。
私達は世の出来事が正しく批判出来る尺度をより長くより正しくするために、そうして次の世代の子供に理解ある母親として、又一家の明るい灯火の主婦となるため一層の修養をすることが必要であると思います。そのために結成した婦人会でありますので一層協力して発展するよう致しましょう。