第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動
菅谷婦人会『しらうめ』第16号1996
短歌
菅谷四区 佐々木ユ基
蝶の里ほたるの里も竣工す自然よ戻れわがふるさとに
みのり田を背景に建つ碑に人道振興の地と刻まれてあり
明け初むる朝焼け雲を乗せて下る都幾の川波朱に輝く
幾度かの戦渦に散りし慰霊塔御前小さく冬桜さく
冬ざれの郭の跡の常盤木の一葉一葉に柔陽さし入る
木の葉道下りて郭の日溜りに朱のつぼみの木瓜見つけたり
貼付薬はりくるる子の遠くなり独り手探り首すじに貼る
菅谷婦人会『しらうめ』第16号 1996年(平成8)3月