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第6巻【近世・近代・現代編】- 第8章:女性の活動

第1節:婦人会

菅谷婦人会志賀支部 文集『あゆみ』1960

人の和

            高橋里せ

 婦人会志賀支部では新らしいこころみとして八月二十八日、船橋ヘルスセンターへ会員の親睦をはかるを目的に日帰旅行をおこないました。朝六時出発、むせかえるようなみどりにおおわれた道路をバスにゆられながら一路船橋へと向った。社内は和気藹々(わきあいあい)、ほんとうに楽しそう、そなえつけのマイクの次から次えと絶えることのない歌声に、三時間余の旅も、もう着いたのかと云う程でした。近代建築の粋(すい)をこらしたこの殿堂は見るものをして驚嘆させるに充分で……場内のどの設備もみな目をみはらせるばかりでした。午后二時、なごりを惜しみながら船橋をあとに浅草を経てなごやかな雰囲気の中に無事旅行を楽しく終えることが出来ました。こうして何事もなく終了したにつき、婦人会の様な団体生活の場においては特に「人の和」の尊さを強く感じたのです。……。互助の精神、思愛の精神みな「人の和」から生まれて来るのではないでしょうか。当日は今年最高の暑さだったとか、しかし車内の空気はそれを吹飛ばすに充分であったのです。今日の疲れはその日のうちになおし、「熟睡」により明日の活動力を養ない、楽しい生活を築く為に、お互いに協力しあい立派な婦人会に致しましょう。

菅谷婦人会志賀支部『あゆみ』 1960年(昭和35)1月
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