第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし
川島の今昔[権田重良]
権田重良
鬼鎮神社の東に下耕地の用水池として上下に大小の沼があり、天沼(あまぬま)と呼んでいる。水源は上流の山の林の中にあった。清水という小字の現在、サトウ螺子工場の門がある付近(川島1800番地)から絶えることなく湧き出し、上沼(うえぬま)に流れ込んでいた。上沼は水が冷たいので、子どもたちの水浴びの場の下沼(したぬま)と違い泳ぐことができなかったと聞いている。現在は水源の場所は不明となっている。
下沼の端に小さな弁財天が祀ってある。石碑に文政十二年(1829)九月、上下講中とある。当時、中組の名は見当たらない。下沼の土手際に大黒天の石碑があり、元治子年(1864)、当所講中と読める。
※追記:川島には川島1557番地に上沼(かみぬま)があったが、近年埋め立てられた。また川島1815番地には下沼(しもぬま)がある。