第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし
郷土の今昔[安藤専一]
「郷土の今昔」は、嵐山町大字古里生まれの安藤専一氏が、ご自分の家や古里に伝わる言い伝えや歴史をまとめた原稿です。安藤専一氏は、七郷中学校、菅谷中学校の校長を歴任し、町政施行時(1967年)には、助役を勤めました。
昭和二二年(1947)四月一日、七郷村立七郷中学校長を拝命して同校創始期を九か年。同三十一年(1956)四月一日菅谷村立菅谷中学校長に転補とな り六か年。更に三十七年(1962)四月より七郷中学校に三か年計十八年間の中学校長を終って四十年(1965)四月一日付で学校長を退任した。
安藤専一『郷土の今昔』 1979年(昭和54)1月
数度に渡る関根茂章村長の懇請に打ち勝てず、停年より一ヶ月早く学校を退いた。そして引き続き四月五日付で菅谷村助役に就任、任期四年目の四十三年 (1968)の暮、急性血圧症に倒れたが幸い快復できた。この時今期限り役場を引退する決意をしたのであった。そして翌四十四年(1969)三月末予定通 り役場を退いたわけである。
七中時代『七郷村誌』を計画して、約六か年費やして未完ではあったが昭和二十七年(1952)十一月三日同誌の編集を終了した。菅中時代は学校沿革誌、外諸帳簿の大整理に追われ、役場では菅谷村沿革誌の作成や報道編集の仕事等に努力した。
また学校時代役場時代を通じて村内文化財保護事業にも委員または関係者として、可成りの日時を重ねてきたわけである。
今回地元古里(ふるさと)の諸記録を整理して、後世の人たちに残す事を考え「郷土の今昔」と銘して集録した。内容中には物語り・史料・民話的など雑多である。史的価値は極めて薄弱であるが、奇特者の活用を切に希うものである。
昭和五十四年睦月廿日 安藤専一