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第6巻【近世・近代・現代編】- 第6章:くらし

第3節:日記

冨岡寅吉日記

昭和15年(1940)10月


十月一日 火曜
起床:
就寝:
登校:
下校:
 頭が痛い
神社参拝。週番

第三次防空訓練開始。


十月二日 水曜
起床:
就寝:
登校:
下校:
 週番

週番


十月三日 木曜 雨
起床:五時十分
就寝:二十時十分
登校:七時二十分
下校:十八時二十分
 防空演習
今日は頭があまりいたくなかった。学校に行き週番なので廻って歩った。一時読方十和田湖。二時国史国文学。三時綴方をした。四時農業。五時続き。六時〜七時武道をした。家へ来た


十月四日 金曜 晴
起床:四時十分
就寝:二十時五十分
登校:六時二十分
下校:十七時十分
 防空演習
朝当番てある早く起きて支度をして藁炭などを持って行った。一時朝礼の始まらない中に空襲ケイホウが来た。その為事業は出来ない。約三時間。三度あった。武道をした。

防空演習


十月五日 土曜 晴
起床:五時二十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十五時二十分
 防空演習も終った。
今日まで防空演習である。支度をして河原まで行くと空撃*1の合図が鳴った。学校に行き幾分か遊ぶと鐘が鳴り神社の森にひなんした。数十分で終った。二時算術。P36勾股弦の定理。三時体操下田先生又空撃が来た。これは短かかった。掃除をして午後武道をして家へ来た。

*1:空襲。


十月六日 日曜 晴
起床:五時十分
就寝:二十時四十分
登校:
下校:
 天ラン会*1見に行った。
日曜日てある。早く起きて松の皮をむいた。朝食して玉川に使に行って来て又むいた。とても面白い。昼食して沢渡君と松山の小学校にテンラン会を見に行った。権田君のがあった。帰りに糸ノコギリ、インキを買って来た。さつまを食った。そして松の皮むきをした。

*1:展覧会。


十月七日 月曜 晴
起床:五時十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十八時二十分
 銃後奉公強化運動五日間第一日。手工は面白い。
早く起きて自転車の掃除をした。今日はいろいろの道具を持って行くのである。朝礼をした。一時修身。二時算術勾股弦の定理応用。三時農業実習畠うない。四時神社参拝。銃後奉公強化運動。今日より銃後奉公強化運動。五時手工状さし。家へ来ても手工の続きをした。糸ノコギリを使った。


十月八日 火曜 晴
起床:四時二十分
就寝:二十時五十分
登校:七時二十分
下校:十四時十分
 銃後奉公強化運動第二日忠魂祠に参拝
今朝は早く起きた。松の皮むき 支度をして学校に行った。一時算術。三十六頁。二時読方漢字練習。三時忠魂祠に参拝した。四時教科書を貰い自習をして家へ来た。車の後押しに行った。松の皮むき等した。


十月九日 水曜 晴
起床:四時二十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十六時十分
 銃後奉公強化運動第二日 慰問文を書く しない
今日も早く起きて松の皮をむいた。学校に行き運動した。一時算術。昨日の答調べ。二時理科。消化器。三時地理。人類。四時唱歌国民進軍歌。合同体操行進をした。終ってから五年以上の騎馬競争をした。面白い。家へ来て山に行った


十月十日 木曜 晴
起床:五時
就寝:二十時四十分
登校:七時二十分
下校:十八時二十分
 銃後奉公強化運動四日 墓地の清掃 しない
今日も朝松の皮むきをした。四本むいた。唐鍬を持って行った。一時庭のごみひろいをした。二時読方十和田湖の養魚。三時国史。四時二千の長距離をした。三十番であった。これで合同体操をして家へ来た。農業当番なのでのこってして来た。


十月十一日 金曜 晴
起床:五時十分
就寝:二十一時十分
登校:七時十分
下校:十五時二十分
 銃後奉公強化運動五日 青年団の大育大会*1
今日は青年団の大育大会があるのである。べんとうだけ持って学校に行った。じきに始まった。教室に入り腰掛けを持って外に出た。宮城遥拝、もくとうなどした。午後高等科のリレーをした。遊ぎなどもあった。大蔵の青年団は六等であった。(一等平沢)家へ来た。

*1:体育大会。


十月十二日 土曜 晴
起床:五時十分
就寝:二十時三十分
登校:七時
下校:十二時四十分
 水車へ行った。
足のきん肉か痛い。起きて庭だけ掃いた。学校に行き運動をした。一時読方十和田湖の養魚。二時算術P37拡大図。三時体操ほかけ舟国民体操。掃除をして家へ来た。遠山の水車へ麺を持ちに行った。来て松の皮をむいた。受信山下三三男


十月十三日 日曜 晴
起床:五時二十分
就寝:二十時三十分
登校:
下校:
 ビラはり 土石運搬
日曜日なので早く起きて松の皮をむいた。朝食して父と土運びをした。五回位はこんだ。終ってから今度は石運び二回して昼食した。菅谷に使に行き弁当函を買って来た。四十三銭。柿の木をこひで植ゑかへした。ビラはりをした。以上


十月十四日 月曜 雨
起床:四時四十分
就寝:二十時五十分
登校:七時
下校:十八時十分
 けん舞
今朝は早く起きた。支度も早く出来て学校に行けた。一時修身智能。二時算術〔相似形〕。三時農業養蜂。四時理科消化器。五時運動会の話 武道剣舞*1。乃木大将の詩。これは面白かった。よかった。手工しない。明日は当番。

*1:談)内田實先生にならった。


十月十五日 火曜 曇
起床:五時二十分
就寝:二十時四十分
登校:七時二十分
下校:十七時十分
 大工さんが来始めた。第一日。出征兵士送り
朝当番なので早く起きて支度をして山下君の家へ行った。掃除をして外に出た。一時唱歌練習をした。二時読方罐詰の所自習。事業料を出した。三時算術P39(拡大図縮図)。四時体操てんかい練習。そして農士学校から出征する柳橋由雄先生を見送くった。武道けん舞をした。


十月十六日 水曜 晴
起床:四時五十分
就寝:二十時三十分
登校:六時三十分
下校:十六時五十分
 同上第二日。秋季大運動会
今日はたのしく学校の秋季大運動会である。昨日あたりの模様ては雨が降りそうであった。でも晴れた。宮城遥拝。黙祷などした。騎馬枝戦。武道。二百米競走などがあった。自分等はキロクガカリである。□一東。八六点。二南六八点。三北五八点。四西。三八点。の成績であった。終りに校歌合唱。庭の掃除等をして家へ来た。


十月十七日 木曜 晴
起床:五時二十分
就寝:二十時四十分
登校:八時五十分
下校:十二時十分
神嘗祭 菅谷神社の祭典
今日は高等二年の生徒は菅谷神社祭典につき参加するのである。支度をして出かけた。ケイ防団の人達が庭に集って居た。十時二十分頃式が始まった。玉ぐしを上げた。式ををわして家へ来た。〇時幾分かであった。桑の木しばりをした。使もした。明日は靖国神社臨時大祭


十月十八日 金曜 曇
起床:四時十分
就寝:二十一時二十分
登校:
下校:
靖国神社臨時大祭 [書込]鍛練馬競争見に行った。
松山の箭弓神社のグランドに鍛練馬競争があるので見に行く思ひであった*1。祖父、守と三人で見に行った。電車で行った。大蔵の小林新平さんの馬と根岸宇平さんのが一等となった。第十四レースまであった。帰りは五時十一分の下りて家へ来た。面白かった。

*1:午前九時より比企郡鍛練馬競争会実施。


十月十九日 土曜 晴
起床:五時
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十八時二十分
 体力テスト
学校に行った。すると庭に線を引いて居た。宮島先生が高二の者はほうきを持ってこいと言った。僕等もその相手をした。朝礼をして五年以上はのこった。かぞへ十五才の者は体力検査をするのである。百米。手リュウダン。ケンスイ。巾トビなど。二千米した。明日は小川

古里兵執神社秋季例祭。


十月二十日 日曜 曇
起床:四時二十分
就寝:二十時四十分
登校:
下校:
 小川小学校に武道しに行く。
今日は小川の小学校へ倹道*1をしに行くのである。御九日でもある。支度をして学校に行った。未だ早かった。友達も来た。(小川小)。下田先生の指導で行った。開会のじがあった。銃剣術。柔道。弓道など武士道にかんすることが色々あった。中島君とした。勝った。今夜はかんのん様である。

*1:剣道。


十月二十一日 月曜 晴
起床:四時五十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十七時二十分
 御九日(おくんち)
昨日の夜は観音様に活動*1があり見に行った。今日はケイ防団の査閲*2があった。一時修身。徳器。二時算術。P40。三時。下田先生の居ない為理科をした。四時続きをした。五時手工。仕上げるまでにした。終った頃はおそくなった。農業当番。農具舎整理だけして来た。御九日なので遊んだ。ベースをした。

*1:午後六時半より菅谷村在郷軍人分会主催勇士遺家族慰安映画会が根岸観音境内で開催された。
*2:菅谷村警防団査閲実施。


十月二十二日 火曜 晴
起床:五時二十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十五時二十分
 桑しばり
今朝は山下君は早かった。学校に行き運動したり遊んだりした。一時算術P41圓の所。二時読方罐詰。川柳。三時国史攘夷の所。四時体操。宮島先生の指導。飛函。鉄棒をした。五時唱歌。明治節の歌。山などした。手紙をたのまれた。桑しばりをした


十月二十三日 水曜 曇
起床:五時十分
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十二時四十分
靖国神社祭 陸稲上げ。後押し。
いつもの様に学校に行った。朝礼はなかった。一時地理。人種。人口。総数。二時先生は松山に行った。算術。三時理科。復習をした。四時書方残れる月の影ふみての自習。掃除をして昼食した。飛箱などならった。家へ来て湯かいこみや陸稲上げをした。以上


十月二十四日 木曜 雨
起床:五時二十分
就寝:二十時二十分
登校:七時
下校:十八時二十分
 雨降り
雨が降って居た。学校に行き六年の関根君に由井正雪の本をかりた。休時間に読んだ。一時読方。川柳。二時国史。洋学の発達と開港。三時綴方。初秋。四時農業。五時四時の続きをした。家へ来てなわないをした。


十月二十五日 金曜 晴
起床:五時十分
就寝:二十時五十分
登校:七時二十分
下校:十七時二十分
 明日の用意をした。
今朝の三時頃馬が寝そこなった。起きたから川に水がふいたかどうか見に行った。橋はなかった。だが学校に行く時はかけてあった。一時読方第二十六川柳。二時地理人口密度。日本一三四人。三時歌唱歌。明治節。二千六百年の歌。四時体操。縦体行進*1習。五時尋四以上は旧校舎の草むしり。僕等十人は明日の用意をした。

*1:縦隊行進。


十月二十六日 土曜 晴
起床:五時
就寝:二十時五十分
登校:七時十分
下校:十七時三十分
 畠うない。
今日は十五才より二十五才迄の体力テストかあるのである。学校に行き朝礼をした。十五才の者は支度をした外に出た。百米。手リュウ丸。巾飛。けんすゐ。重量運搬。二千米など順々にした。会長の合さつ。県から来た人の話などあった。そしてほめられた。家へ来手畠うないをした。


十月二十七日 日曜 晴
起床:四時四十分
就寝:二十時四十分
登校:
下校:
 畠うないをした。
今朝は早く起きた。そして祖父、父、三人で前畠に畠うないに行った。朝食して西原にうないに行った。もろこしなどまるった。軟らかいので早くうないた。昼食して又行った。かいちゅう電気を買って来た。明日は朝当番である。今日はほんとうの秋日和てある。夕方雲が少し出た。


十月二十八日 月曜 晴
起床:四時五十分
就寝:二十時五十分
登校:六時三十分
下校:十八時二十分
 旧校舎のかいこん
朝当番なので早く起きて支度をして学校に行った。万能を持って行った。掃除をした。一時、修身、徳器。二時、算術P42弓形。三時農業土じゃう。四時理科。疾病の所。合同体操があり健国体操をした。五時旧校舎校庭の畠うない


十月二十九日 火曜 晴
起床:五時二十分
就寝:二十時三十分
登校:七時二十分
下校:十六時二十分
 旧校舎の開墾
夕べは唐子へしばい見に行った。起きて支度をして万能を持って行った。一時算術P42弓形の角。二時読方自習けん門。三時国史自習。先生は用事で家へ帰った。四時体操。合同体操。建国体操。五時実習畠うない墾開をした。家へ来て畠うない。


十月三十日 水曜 曇
起床:五時十分
就寝:二十一時□分
登校:八時十分
下校:十一時□分
 勅語下賜五十周年記念。
今日は勅語御下賜五十周年記念なので学校に式がある。雨が降って居たが止んだ。そして庭で式をして家へ来た。もう十一時であった。万能を持って畠に行った。少しうなって家へ来た。昼食して又行った。耕し終って今度は整地しに行った。夕方までして帰って来た。??(ママ)以上

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