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第6巻【近世・近代・現代編】- 第5章:社会

第2節:福祉・社会活動

新生活運動

婦人会

平和憲法の擁護に立て ——菅谷——

「新興中国の半ば以上の功績は婦人の目ざめにあると私は見て來ました。」(世界九月号心に残つたこと)とは高良とみ女史の帰国談であるがわが国の婦人はどうであらうか。彼女等の先輩が血と涙の努力を以てしても尚且かち得られなかつた参政権と平等の権利とは敗戦によつて一挙に与へられた。だが彼女等は何等の精神的革命もなし得なかつた。幾人の女性が新憲法を読み且味はつたであらうか。
吾が村の婦人会もぬかづけ的講習会や石鹼売的行商よりもなすべき多くのことがあらう。当初呼号した生活改善や合理化も何等の実現可能性も見られない。然し今日私が切実に期待するものは平和への熱情である。婦人会は全力を挙げて平和憲法の擁護と戦争反対の意志を表明すべきである。誰が憲法を改正せむとし、軍備をもたむとしてゐるか明かである。若し今日婦人会にして此の道を誤るならば彼女等の前途に待つてゐるものは、「愛国婦人会」の白だすきとモンペと防空頭巾のみであらう。
(関根昭二) 

『菅谷村報道』26号 1952年(昭和27)10月10日
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