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第6巻【近世・近代・現代編】- 第3章:産業・観光

第4節:養蚕・畜産

養蚕

養蚕業組合法公布により養蚕実行組合が登記される

 比企郡養蚕実行組合「組合員名簿」1932年(昭和7)2月には、比企郡下の養蚕実行組合の組合名、事務所、組合長氏名、組合員数、設立年月日、登記年月日が掲載されている。
 この名簿にある町村別の養蚕実行組合数は次のとおりである。

現・嵐山町=菅谷村6、七郷村4
現・東松山市=松山町6、大岡村2、唐子村9、高坂村16、野本村18
現・滑川町=福田村10、宮前村11
現・小川町=小川町7、八和田村8、大河村14、竹沢村6
現・ときがわ町=(旧都幾川村)明覚村6、平村1、(旧玉川村)玉川村6
現・鳩山町=亀井村4、今宿村1
現・川島町=小見野村11、中山村13、八ツ保村2、伊草村3、三保谷村7、出丸村10
現・吉見町=東吉見村7、南吉見村5、西吉見村5、北吉見村3

  1931年(昭和6)3月の蚕糸業組合法公布を機に、埼玉県では各郡養蚕実行組合連合会の下部組織としての養蚕実行組合の組織化と登記促進が図られた。養 蚕実行組合は「養蚕業に関して組合員の共同の利益増進を図る」ことを目的とし、「養蚕の指導奨励、蚕種統一・共同購入、稚蚕共同飼育、桑園改良、繭共同販 売、病害虫・凍害防止、技術講習会、災害共済」などの事業活動を行う組織である。
 比企郡では1931年(昭和6)9月〜12月、「養蚕組合名簿」によれば、201の養蚕実行組合が設立、登記されている。従来の養蚕に熱心な農家の申し合わせ組合から、法的に統制された系統養蚕組合の末端組織としての養蚕実行組合の誕生である。
 この時結成された、現嵐山町域の菅谷村、七郷村の養蚕実行組合は10組合で全大字に組織されておらず、全養蚕農家の組織化にはほど遠い状態であることを示している。

旧・菅谷村
 将軍沢養蚕実行組合 小久保恭之助組合長 35戸
 菅谷養蚕実行組合 米山松五郎組合長 33戸
 鎌形養蚕実行組合 簾藤正作組合長 66戸
 鎌形川南養蚕実行組合 小林才治組合長 18戸
 大蔵養蚕実行組合 冨岡茂八組合長 47戸
 志賀養蚕実行組合 内田寛太郎組合長 23戸

旧・七郷村
 吉田養蚕実行組合 藤野良助組合長 30戸
 杉山養蚕実行組合 阿部寶作組合長 16戸
 古里養蚕実行組合 安藤寸介組合長 35戸
 広野養蚕実行組合 栗原侃一組合長 11戸

参考資料
 比企郡養蚕実行組合「組合員名簿」1932年(昭和7)2月

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