第6巻【近世・近代・現代編】- 第3章:産業・観光
木曽義仲
埼玉県郷土文化会会長、嵐山町博物誌編さん委員長をつとめた長島喜平氏の郷土史研究最初の著作。埼玉師範学校在学中のガリ版刷りの冊子。「曽て関東に於ける源氏の興亡について、研究を企てたのは昭和十二年(1937)七月頃のこと。その一部なる源(木曽)義仲についての研究は既に諸紙に発表し又その父義賢について発表したが、それ等が連絡もなく、又不徹底であったので、此の度出来るだけ、補正して、関東に於ける源氏の一端なる義賢、義仲を中心として不束な論説をかゝげやう。」と緒論にある。半世紀後の1991年(平成3)12月、『朝日将軍木曽義仲―史実と小説の間』(国書刊行会)が出版されている。
発刊に際して
本小冊子を発刊するにあたり、【埼玉】師範学校の村本・高崎両先生をはじめ、本校の郷土班員、又多くの人々のご協力に対して深甚なる敬意を表する次第であります。
印刷につきましては、自分で本年六月頃着手しましたが多忙のため中止し、十月に入って謄写の印刷所へ依頼して発刊することとし、それにつきましても又有志の方々には心よく御賛助して下され、草案としてのまゝ印刷して御分ちする次第であ[り]ます。
印刷には経費の関係上相当思切って原稿を捨て殆んど半分位にしました。出来上ったものを見ると、そのため意味の不関連な所も見受けられて、御分ちするには堪へられぬ程になりましたが、これ以上如何とも出来ません。
又写真は皆手形にしようと思ひましたが経費の関係上御赦し下さいませ。
昭和十六年十一月二十日夜
(第七回県下連合演習後三日)
寄宿舎にて
長島喜平研究草案目次
一、緒論
二、武蔵武士と源氏の東方勢力
三、源義賢の概説の研究
四、大蔵の戦の史蹟をめぐっての研究論文
1.大蔵の館跡の現場
2.大蔵の戦史
3.木曽引畧記
4.大蔵館跡と源義賢墓の二論説
五、班渓寺開基山吹姫
六、木曽義仲の概説
七、木曽義仲についての生立の論説
八、土地の名前
九、巴御前義仲の子孫及び関係名奥付
長島喜平『源義賢・義仲郷土史に関する研究』昭和16年(1941)
昭和十六年十一月三日印刷着手
昭和十六年十一月二十一日修了 (非売品)
昭和十六年十一月二十三日製本
研究者 長島喜平
(埼玉県比企郡菅谷村鎌形六五三)
賛助者 村本達郎教諭
柳沢栄吉
外郷土班員
特別賛助者(順序不同 敬称略)
齋藤熊谷市長 新藤延平 平村日吉神社社掌
班渓寺伊藤禅師 故根岸【山岸徳太郎?】郵便局長
世田谷永安寺(東京) 外十数名