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第6巻【近世・近代・現代編】- 第3章:産業・観光

第1節:景勝・名所

ふれあいの里に“桜の園”
清流に映えるソメイヨシノ

嵐山町 清流の川面に映える県内屈指の桜並木が来春にも誕生する。県東松山土木事務所と比企郡嵐山町は、改修工事が進む同町大蔵の都幾川右岸の堤防にソメイヨシノ135本を植樹、約1キロの桜並木づくりに着手した。

県内屈指の桜堤
寄贈者を公募 来春にもお目見え

 ふれあいの川・都幾川改修事業に伴う計画で、従来のコンクリートで固める堤防から、自然を生かし水に親しめる改修工事が五十六年(1981)から続けられている。本年度までに学校橋から上流の二瀬橋までの右岸一キロの堤防が完成。幅約九メートルの堤防に植樹帯を設けた。
ソメイヨシノは、この植樹帯に七−八メートル間隔で百三十五本植えられる。来年度からはさらに上流一キロにも桜を植樹する計画。都幾川と槻川の合流する同地区は、県立比企丘陵自然公園の北西部に位置、嵐山渓谷で知られる景勝地。桜並木の川向かいには歴史資料館、国立婦人教育会館、野鳥の森などの公共施設があり、一年中、県内外からの訪問者でにぎわう。
嵐山町は、同地区を含む約四百十ヘクタールの広大なエリアを「ふれありの里づくり」としても整備を進めて、現在、「オオムラサキの森」「農産物直売所」などユニークな試みも始まっている。ここに桜並木が完成すれば、比企地方で最長となるだけでなく、熊谷市の荒川桜並木約三キロ、幸手町の権現堂桜堤約〇・五キロなどとともに県内屈指の桜堤となる。
同町では、ソメイヨシノの寄贈者の公募もすでに始まった。ソメイヨシノは高さ四メートル、幹回り二十センチの成木を植樹する。一本一万六千円で申し込みを受け付けているが、寄贈者には氏名を記入したプレートもプレゼントされる。二十日までに六十二人の申し込みがあった。詳しい問い合わせは同町観光協会【電話番号略】へ。

『埼玉新聞』1986年(昭和61)10月21日
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