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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第4節:平成

平成の大合併

市町村合併を考える5

合併素朴な疑問 Q&A

Q 市町村合併の前に地方分権を進めるべきだと思いますが。

 市町村合併自体が地方分権のために行われているのです。市町村合併は、自治能力の向上のために行うものです。なぜ市町村なのでしょうか。市町村は住民との距離が最も身近であり、住民の声が最も反映しやすい体制であるといえます。また、縦割りの弊害を除去し、住民の選択と負担により効率的な行政を行える体制であるといえます。市町村中心の地方自治こそ、住民主権としての地方分権が実現できたといえる地方行政体制の理想像なのです。
 そのためには、市町村の自治能力の向上が不可避です。とくに分権時代は地域間競争の激しい時代であり、住民の期待に応えられるサービス体制の確保のためには、人材の確保が急務となっています。分権時代には、市町村が独自の条例を作って、自ら政策立案をしていかなければなりません。しかし、現状では小規模な市町村が独自に立法をする能力は十分であるとは言えません。市町村の規模が大きくなれば、専門的人材の確保や先端課題の研修への職員の参加が可能となります。
 かつて昭和の大合併では最低人口8000人を目標に合併が推進されました。今やその当時に比べ、市町村の行うべき事務は飛躍的に増えているのにもかかわらず、人口8000人未満の町村は全体の約4割もあります。
 総合行政体であれば、何でもできる反面、何でもしなければなりません。社会情勢の変化を踏まえ、福祉、環境、教育等の住民に身近な分野で常に新しい課題が今後出てくることが予想されますが、これを市町村が自ら解決しなければならないのです。市町村合併による規模の拡大は、市町村中心の自治体制確立のためには不可欠です。

Q 市町村合併も構造改革なのですか?

 市町村合併は、地方行政の構造改革です。戦後50年を経過した今日、社会のあらゆる分野にわたりシステムの再検討がなされ、構造改革と言われる動きが各分野に見られています。
 現在の地方行政体制は、昭和30年前後の昭和の大合併といわれる際に決まったものが、50年間そのまま維持されてきています。50年経っている以上、少なくともそのあり方について、所要の検討を加えるべきではないでしょうか。
 住民の生活行動圏域は大きく広がり、公共サービスの受益を受ける範囲はその納税される市町村の枠を越えて広がっています。市町村の行政規模の拡大は、自治に関する自己決定という観点からは避けては通れないものではないでしょうか。

Q 市町村合併をしなくても広域連合や一部事務組合などの広域行政で十分対応できるのではないですか?

 広域連合や一部事務組合には、いくつか以下のような制約が存在します。
(1)住民への対応は、構成市町村を通じた間接的なものとならざるを得ず、住民と行政との距離が遠くなり、 責任の所在が不明確となりがちです。
(2)意思決定は、構成市町村をはじめとする関係団体の意向を踏まえて行われ、その連絡調整に相当程度の時間や労力を要します。結果、迅速・的確な事業実施に支障を生じる可能性があります。
(3)共同処理が行われる事務(例えば介護保険)とこれと密接に関連する構成市町村で個々に行われる事務(例えば介護予防)が別々の主体によって実施されることになり、地域における総合的な行政の展開にとって不都合な事態の生じる可能性があります。
(4)極めて厳しい財政状況のもとで、一部事務組合や広域連合とこれを構成する市町村のそれぞれに議会や事務局組織が設けられることは、人材の確保や行政経費の効率的な執行の観点からの問題があります。

合併についてのご質問・ご意見・ご感想をお寄せください。

問合せ 役場 企画課 企画振興係 【内線番号省略】

嵐山町広報『嵐山』133号 2002年(平成14)11月1日
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