第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政
嵐山町
県が「オオムラサキの森」
嵐山渓谷に楽園を復活各地で絶滅が心配されている『国チョウ』のオオムラサキを保護、増殖するため、県はことしから『オオムラサキの森』づくりを始める。
『埼玉新聞』1982年(昭和57)2月3日
オオムラサキは、昭和三十二年(1957)日本昆虫学会で『国チョウ』に撰ばれた世界に誇る日本の代表的な大型チョウ。雄の羽は濃い紫色に輝いている。二十数年前までは全国の各地でその優雅な姿を見せていたが、最近ではめったに見られなくなった。すみかのクヌギやエノキの茂った雑木林が減ったためだ。
県の『オオムラサキの森』の予定地は『昔は(国チョウが)いっぱい飛んでいた』という、嵐山県民休養地の中の嵐山渓谷近く(比企郡嵐山町)。
ことしは予定地の自然状況を調査し、十年がかりで、クヌギやエノキを移植、卵をフ化、増殖させてオオムラサキの楽園復活を目指している。