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第6巻【近世・近代・現代編】- 第2章:政治・行政

第2節:昭和(町制施行前)

菅谷村

村議教委選
  村政運営の新陣容成る
    古豪・新鋭・轡を並べて当選

 新村第一回の村議、教委選は予定の通り十月九日執行、夫々別項の通り、村議は投票により二十二名、教委は無投票で四名の新議員委員が当選した。今、本選挙の経過を辿れば、十月四日締切までに、菅谷地区定員十二に対し、十四。七郷地区定員十に対し十三。教育委員定員四に対し五の届出があり、両者共はげしい選挙戦に入る形勢を示したが、その後教委は一名の辞退があって、無投票となり、村議は七郷地区で一名辞退となり、選挙は村議選のみに単一化されて、稍々(やや)落つきを見せた。然し両地区とも定員外二名で、比較的立候補が少かったので、それだけ当選圏得票数の上昇が予想せられるため、選挙戦は深刻であった。
 選挙当日は好天気に恵まれ、又、村民に最も身近な村議選であるだけに、有権者の出足は極めて好調で、平均投票率、菅谷地区は、九二・六九%で、第五投票所(大蔵・根岸・将軍沢)の九六・〇五%が最高であり、第四投票所(鎌形)の八六・六八%が最低である。七郷地区は平均九一・三二%で稍々菅谷地区に劣っている。
 当選者の顔触れは、年齢では最高六六歳から最低三十歳。平均年齢五一・四歳といふ、最も油の乗ったところ。経歴では、村長、議長、教委長、農委長、農協長、その他村内各種団体の中心的地位の前歴者現職者が轡(くつわ)を並べ、新村政を議するに相応(ふさわ)しい絢爛(けんらん)たる陣容を形成している。
 初村会は十月下旬に招集、議長、副議長、常任委員等を選出して、態勢を整え、その第一歩を踏出すことになる。
 又、教委は議会選出委員決定次第、初顔合せを行うことになるが、公選委員四名はいづれも前教育委員で、その道のベテランであり、今後の教育行政に多大の期待がかけられている。

村議当選者

  (註) (1)得票数(2)所属党派(3)住所(4)生年月日(5)村議経歴(6)公職経験
▽菅谷地区
大野幸次郎
(1)264(2)無し(3)志賀(4)明治28(1895).8.9(5)元(6)教育委員、農業委員
栗原彌之助
(1)257(2)無し(3)遠山(4)明治43(1910).3.20(5)前(6)農協理事、農調委員
福島愛作
(1)252(2)無し(3)将軍沢(4)明治27(1894).3.19(5)元(6)遺族会長、村長、公平委員
金井倉次郎
(1)239(2)無し(3)大蔵(4)明治40(1907).1.13(5)新(6)教育委員、農協監事
森田与資
(1)234(2)無し(3)川島(4)明治37(1904).7.1(5)新(6)区長、民生委員
山田巌
(1)210(2)無し(3)平沢(4)大正14(1925).1.3(5)新(6)農協理事
杉田峯吉
(1)201(2)無し(3)鎌形(4)明治39(1907).3.9(5)新(6)農業委員
青木高
(1)200(2)無し(3)菅谷(4)明治38(1905).1.7(5)前(6)青色申告会長
高橋亥一
(1)194(2)無し(3)志賀(4)明治36(1903).10.23(5)前(6)農協理事
中島勝哉
(1)189(2)無し(3)菅谷(4)明治45(1912).4.25(5)前(6)農業委員
米山永助
(1)166(2)無し(3)菅谷(4)明治36(1903).2.4(5)前(6)村議、農協監事
山下欽治
(1)161(2)無し(3)鎌形(4)明治41(1908).10.19(5)前(6)農業委員
▽七郷地区
安藤武治
(1)223(2)無し(3)古里(4)大正4(1915).8.16(5)新(6)なし
船戸常作
(1)214(2)無し(3)越畑(4)明治31(1908).10.27(5)新(6)収入役、固定資産評価審査委員
栗原侃一
(1)204(2)無し(3)広野(4)明治22(1889).10.7(5)元(6)村長、教育委員長
内田幾喜
(1)196(2)無し(3)杉山(4)明治32(18999.2.10(5)元(6)村長、公平委員、遺族会長
大塚禎助
(1)168(2)無し(3)古里(4)明治34(1901).9.16(5)前(6)国保運営委員
市川武市
(1)156(2)無し(3)越畑(4)明治35(1902).10.10(5)元(6)村長、農協組合長、公平委員
坂本幸三郎
(1)148(2)無し(3)吉田(4)明治36(1903).2.9(5)前(6)社教委、国保運営委員
田畑周一
(1)147(2)無し(3)勝田(4)明治37(1904).9.23(5)前(6)国保運営委員、監査委員
島田忠治
(1)140(2)無し(3)吉田(4)明治41(1908).3.1(5)前(6)消防団長
小林文吉
(1)127(2)無し(3)吉田(4)明治27(1894).9.5(5)元(6)教育委員

教育委員当選者

  (註) (1)所属党派(2)住所(3)生年月日年齢(4)教育委経歴(5)公職経歴
根岸忠與
(1)無し(2)菅谷(3)明治44(1911)11.14(44)(4)前(5)消防団長
小林才治
(1)無し(2)鎌形(3)明治35(1902).1.28(53)(4)元(5)収入役
馬場覚嗣
(1)無し(2)越畑(3)明治21(1888).11.3(66)(4)前(5)村議
金子慶助
(1)無し(2)杉山(3)明治28(1895).8.24(61)(4)前(5)民生委員

村議選挙記録

 有権者 投票者 投票率
▼第一投票所(菅谷、川島、平沢)
1123人、1057人、94.12%
▼第二投票所(志賀)
530人、494人、93.20%
▼第三投票所(遠山、千手堂)
288人、270人、93.75%
▼第四投票所(鎌形)
661人、573人、86.68%
▼第五投票所(大蔵、根岸、将軍沢)
532人、511人、96.05%
菅谷地区計
3134人、2905人、92.69%
▼第六投票所(吉田、越畑、勝田)
637人、602人、94.00%
▼第七投票所(広野、杉山、太郎丸)
819人、736人、89.86%
▼第八投票所
631人、568人、90.01%
七郷地区計
2087人、1906人、91.32%
菅谷村合計
5221人、4811人、92.15%

『菅谷村報道』63号 1955年(昭和30)10月20日
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