第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡寺院明細帳
埼玉縣管下武蔵国比企郡勝田(かちだ)村字菅原臺
同縣同国男衾郡(おぶすまぐん)富田村(とみだむら)不動寺(ふどうじ)末
新義真言宗(しんぎしんごんしゅう)智山派(ちざんは)
勝福寺*1
一、本尊(ほんぞん) 阿彌陀如来(あみだにょらい)
一、由緒 開山(かいざん)祐尊(ゆうそん)万治(まんじ)元年(1658)九月建立*2。宝蔵山(ほうぞうさん)ト号(ごう)ス
一、本堂 間口(まぐち) 五間(けん)三尺(じゃく)
奥行(おくゆき) 四間三尺一、庫裡*3 間口六間三尺 奥行二間三尺
*1:勝福寺(しょうふくじ)…江戸時代の『新編武蔵風土記稿』には寺院名が正福寺、宗派は新義真言宗と記されている。真言宗は平安時代に空海によって開かれた宗派で、新義真言宗はその一派である。1900年(明治33)に新義真言宗智山派と称することにした。
参考までに、本寺の寄居町富田の不動寺は真言宗智山派である。現在は「新義」をつけないで真言宗智山派と称している。
*2:『新編武蔵風土記稿』には、「万治元年九月建立」ではなく、「開山祐尊万治元年九月十六日示寂」と記されている。
*3:庫裡(くり)…住職やその家族の住む所一、境内 四百四拾貮坪(つぼ) 官有地第四種
一、境外所有地
田(た)反別(たんべつ) 壱畝(せ)六歩(ぶ) 勝田村字西新井
地價(ちか) 金七円四拾三銭(せん)六厘(りん)
田反別 壱畝八歩 同村字同所
地價 金五円六拾九銭貮厘
田反別 壱畝歩 同村字同所
地價 金五円拾八銭七厘
田反別 四畝八歩 同村字菅原臺
地價 金拾四円六拾八銭八厘
田反別 六畝五歩 同村字同所
地價 金貮拾壱五銭貮厘
畑(はたけ)反別(はたけたんべつ) 三畝拾七歩 同村字西新井
地價 金五円拾八銭七厘
畑反別 貮畝歩 同村字同所
地價 金八拾八銭七厘
畑反別 四畝九歩 同村字菅原臺
地價 金六円貮拾五銭八厘
畑反別 三畝八歩 同村字同所
地價 金五円四拾九銭三厘
畑反別 六畝廿七歩 同村字同所
地價 金三円六銭
畑反別 五畝拾四歩 同村字同所
地價 金貮円四拾三銭三厘
畑反別 六畝拾八歩 同村字同所
地價 金貮円九拾貮銭貮厘
林反別 七畝拾九歩 同村字菅原臺
地價 金七拾六銭三厘
林反別 壱畝拾歩 同村字同所
地價 金貮拾六銭七厘
林反別 六畝九歩 同村字同所
地價 金六拾三銭
宅地反別 貮畝廿壱歩 同村字前
地價 金六円七拾九銭三厘一、檀徒(だんと) 三十四人
一、管轄廳(かんかつちょう)迄 拾三里
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡寺院明細帳(一)」
以上