第6巻【近世・近代・現代編】- 第1章:地誌
比企郡寺院明細帳
埼玉縣管下武蔵国比企郡越畑村(おっぱたむら)字大堂
同縣同国同郡廣野村廣正寺(こうしょうじ)末
曹洞宗*1通幻派*2宝薬寺(ほうやくじ)
昭和十七年(1942) 月 日規則ヲ認可ス
一、本尊(ほんぞん) 釈迦牟尼佛*3
一、由緒 正保(しょうほう)二年(1645)八月建立
開祖 南叟玄寿(なんそうげんじゅ)即チ廣正寺二世ナリ一、本堂 間口(まぐち)七間(けん)
奥行(おくゆき)五間三尺一、庫裏*4 間口三間
奥行五間*1:曹洞宗(そうとうしゅう)…曹洞宗は鎌倉時代に道元によって開かれた仏教の宗派。
*2:通幻派(つうげんは)…通幻派は南北朝時代に活躍した通幻禅師の流れを汲んだ人びと。通幻禅師は越前、能登、丹波で活躍し、通幻派は曹洞宗のなかで大きな派になり、通幻の建てた福井県の龍泉寺は通幻派の本山になっている。
*3:釈迦牟尼佛(しゃかむにぶつ)…古代インドで釈迦族出身の聖者を意味する。仏教の開祖、いわゆるお釈迦様のこと。
*4:庫裏(くり)…住職や家族の居間。一、境内 三百八拾三坪 民有地第一種
宝薬寺名受一、境外所有地
田(た)反別(たんべつ) 四畝(せ)廿壱(にじゅういち)歩(ぶ) 越畑村字大堂
地價(ちか) 金拾五円九拾七銭(せん)三厘(りん)
田反別 壱反五畝拾壱歩 同村字同所
地價 金六拾三円四拾八銭
田反別 七畝八歩 同村字同所
地價 金三拾円壱銭九厘
田反別 壱反四畝八歩 同村字同所
地價 金七拾八円五拾八銭壱厘
田反別 六畝廿七歩 同村字宮前
地價 金三拾八円五厘
田反別 弐反拾歩 同村字三反町
地價 金九拾七円九拾九銭七厘
田反別 弐畝廿六歩 同村字同所
地價 金拾五円七拾九銭
畑反別 五畝弐歩 同村字同所
地價 金六円拾九銭七厘
畑反別 壱反弐拾七歩 同村字同所
地價 金拾円八拾四銭八厘
畑反別 壱反四畝廿四歩 同村字同所
地價 金廿壱円五拾壱銭弐厘
畑反別 弐畝八歩 同村字同所
地價 金弐円廿四銭九厘
畑反別 四畝拾九歩 同村字同所
地價 金四円六拾銭五厘
畑反別 四畝廿四歩 同村字同所
地價 金四円七拾七銭四厘
山林反別弐反四畝廿壱歩 同村字山ノ神
地價 金三円七拾銭五厘
山林反別壱反壱畝廿壱歩 同村字深谷
地價 金壱円七拾五銭五厘
山林反別四反壱畝廿壱歩 同村字同所
地價 【欠落】
山林反別参反弐畝六歩 同村字同所
地價 金四円八拾参銭
山林反別壱反弐畝歩 同村字同所
地價 金壱円八拾銭
林反別 壱畝歩 同村字同所
地價 金拾五銭
溜池反別 三畝壱歩 同村字同所
墓地反別 弐畝廿八歩 同村字同所一、信徒(しんと) 八拾六人
一、管轄廰(かんかつちょう)迄 拾四里
「昭和38年度文書 埼玉県学事課 比企郡寺院明細帳(一)」
以上